「CATS」(映画版)
かつてないレベルの悪評が渦巻く映画「CATS」ですが、まあ結論から言えば「あそこまで云うほど酷くない、まあまあ観られる、けど、あそこまで言われるのもわからんではない」という感じでした。ミュージカル好き的には吹替え版も観てもいいかなくらいの気持ちではありますが、ただまあ人に薦めたいかといったら微妙……いや薦められないかな……というところです。CATSの舞台観てない人には「映画観る前にまず四季で見てくれ、話はそれからだ」と思いますね……
(いや、正直いうと私も2000年代以降のミュージカルファンなのでCATSにはそれほどハマってはいないのですが。2階後方席から観て「あんまり好みではなかったかなぁ、ストーリーないし……」と言ったら、四季ファンの方が「2階では良さが伝わらない! 回転席とってあげるからそこで観て!」と言うので、2回目をステージから2列目の近距離席でみて「なるほどこれはアトラクション的なショーなのだな」とやっと面白さがわかった……という経験があります)
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「パラサイト 半地下の家族」
いやー、凄い映画でした。面白かった! 各種映画賞を総ナメにするのも納得の内容です。胸がザワザワするようなこの宣伝美術は前からみかけていて、「なんか嫌だなあ、北九州監禁殺人事件とか尼崎連続変死事件みたいなやつなのかな」と思って尻込みしていたのですが、そういう類の話ではなかったです。貧乏な家族が金持ちの家族に少しずつ寄生していく話ですが、この貧乏家族も北九州や尼崎の犯人ほど邪悪ではないので、そこは安心して見ていられました。前半は意外とコメディタッチで笑える場面も多かったです。格差社会を描いてるとはいえ重苦しい社会派ドラマではなく、むしろサスペンス要素たっぷりのブラック・コメディといった感じでした。ハラハラドキドキのエンターテインメントな映画でしたね。
とはいえ、見てる間はジェットコースターに振り回されてる気分で楽しんでいたのですが、見終えて映画館を出た瞬間に襲ってくる「これをエンタメとして消費して本当にいいのか……?」というザワザワした気持ち。笑い飛ばすには貧乏暮らしの描写がリアル過ぎるんですよ……ラストも勧善懲悪なわけでもなく後味が重くて……。しかも見てたのがTOHO日比谷なもんだから、ミッドタウンのちょっとお高めのキラキラしたお店の前を通ってるうちになんかもうすっかり心が滅入ってしまい、イルミネーション輝く地上に降りる頃には気持ちが死んでしまいました。思わず駅と反対方向の東京宝塚劇場のグッズショップに駆け込んでヅカ充することで心を癒やしてしまいましたよね……
続きを読む宝塚歌劇花組「DANCE OLYMPIA」@東京国際フォーラム
花組新トップスター・柚香光さんプレお披露目公演!おめでとうございます!
一幕目はストーリー仕立てで「古代ギリシャの戦士・アキレウスが現代にタイムスリップ、ダンスチームの男たちにダンスの才能を見いだされてダンサーとしてデビューしヒロインと出会うがやがて古代に戻る」というトンデモ展開。まあストーリー仕立てといってもとってつけた感のある話でまあ通し役のショーくらいの感じの内容ですね。ギリシャの戦士の重厚なダンスから現代のダンサーたちの軽快なストリートダンス、ダンスホール(?)での正装のオーディション、ヒロインとのデュエットダンス……といった感じでほぼダンスだけで展開、新トップお披露目だというのにトップさんが心の声のナレーションだけでセリフもほとんどしゃべらず歌も歌わない、という展開で「まさかこのままれいちゃんに歌わせない気……?斬新……!」と思いましたね。