パシフィック・リム爆音上映会@立川シャッタードーム

爆音上映会は立川シネマシティで開催された観客参加型上映会。特徴としてはざっくりと「音量が通常よりデカイ」「飲酒OK」「コスプレ参加OK」「観客は映画を見ながら騒いでもOK」「つまりうるさいので初見の方にはオススメしない」といった感じ。「ロッキー・ホラー・ショー」や「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」なんかではおなじみの上映形態ですが、ミュージカル映画じゃなくてSF映画では珍しいことではないでしょうか。初回は2013年9月29日に行われ、Twitter上でその様子を知ったのですが、まあずいぶん楽しそうな様子で! 行けなかったのが悔やまれたものでした。(【パシフィック・リム爆音上映会@タチカワシャッタードーム】 参照)次にやる時は絶対行くぞーと思っていたらこのたび11月16日に開催決定し、チケット抽選の難関をくぐり抜け今回は参加できたわけです。

これがまあ、ちょっとどうかと思うくらい楽しかった!
会場に到着し、ロビーを見回せばまあそこらじゅうにコスプレな皆さんがわんさと。黒コートに黒傘の森マコさん、カーディガンや水色コートの森マコちゃん、アーミージャケットや整備服の人々、鼻血出して汚れたニュート、蝶ネクタイ絞めてマグカップ持ったテンドーさん、金髪のロシア軍人姐さん、自作のイェーガーヘッド(電球が仕込んであって光る!)をかぶったお兄さんたち、怪獣の寄生虫ぬいぐるみを持った方、マックス(犬)の風船やぬいぐるみを持った方、チェルノアルファやKAIJUの着ぐるみ(!)、などなど、もう、そこらじゅうにパシリム愛が溢れてるわけです。グッズもコス衣装もみんなそれぞれ工夫して自作した手作り感がいっぱいで、もう……胸熱……! もう、ほんとロビーがちょっとしたパーティ状態で、気分は「お城の舞踏会を初めて目の当たりにしたシンデレラ」状態ですよ。なんて華やか(オタク的な意味で)なの!
一般のお客さんにはさぞ異常な光景だったでしょうが、もう開場前からテンション上がって楽しくてしょうがない。映画館のスタッフではないそうですが、誘導スタッフさんもテンドーやマコのコスプレでおもてなし。わーん楽しいよ!
(今回の上映についてはToggeterの【パシリム爆音上映会再襲撃@タチカワ(付:土浦&札幌)】参照。写真多数)


まあ実は私も年甲斐もなく森マコのコスプレ(!)していったわけですけれども。ひとりではちょっと勇気が無かったのですが、Twitterの育児仲間として知り合ったAさんを誘ったら「髪だけコスプレしていこうかな」というので、じゃあせっかくだからのっかろうかなと。まあ流石にアラフォーの身、タンクトップ姿ではさすがに人様に迷惑だろうと黒コート着てましたけれども。ショートボブの髪に青メッシュ入れるだけでそれっぽくなるので、コスプレとしてのハードルは割りと低いのですよね。会場で同じように森マココスプレした方と何人かでしゃべっていたら、みるみる人が集まってきて撮影会が始まってしまいちょっとドキドキしました……。まさかこの年になって初めてコスプレして、しかもすげえ囲まれて写真撮られるとか、人生ってわからないもんですね……いや、なんかレイヤーさんの気持ちがわかりました。正直楽しかった。

さて会場へ。最前列前ではなぜかバスケが始まり中国のタン三兄弟のパフォーマンスが。今回はDJタイムやローリー役杉田氏のボイスメッセージなどはありませんでしたが、主催者の方のご挨拶。立ってもいいし騒いでもいいし酒のんでもいいし。最前列の前はモッシュピットなので好きに使って。今回は吹替版なのでタイミングが難しいけど「ロケットパンチ」は一緒に叫びましょう。注意事項があります。ひとつ、携帯の電源は切ってください。ふたつ、携帯の電源は切って下さい。(ペントコスト司令官の「ひとつ、二度と私に触れるな。ふたつ、二度と私に触れるな」のパロディですね!)で、上映開始。正直爆音という割にはそんなにうるさくない……というかIMAXの方がむしろ大きい? とも思いましたが、もしかしてみんながきゃーきゃー騒いでるせいで音量を感じ無かったのかも。立川シネマシティのTwitterアカウントの方も上映中「皆さんの歓声が大きいのでこちらも急遽音量上げ調整です!(>_<)/」「上げ過ぎたかな…上の階のd Studioが不安になってきたので確認に…」「うーん、この音量のまま香港決戦大丈夫かな…(このシーンは元々音量が大きい)まっ、いいか!( ̄▽ ̄;)」などとつぶやいてましたしね。

今回は吹替版の上映だったので、冒頭のローリー(杉田智和)のナレーションで \杉田アァァァ/ \杉田さああああん/ の絶叫。ペントコスト司令官に予算削減を言い渡される国際通信会議の場面では、画面の隅で何も言わない日本代表に向かって \佐藤ぉぉぉぉ/ \何か言え佐藤!/ \動け佐藤ー!/ のヤジが飛ぶ。その後も主要登場人物が出ればその名前を叫び、イエーガーやKAIJUが登場すればその都度歓声&絶叫。中でもなぜか犬のマックスが大人気。映るたびに\マーックス!/\マアァァァックス!/ なぜだ(笑)。「ニュートって呼んでくれ」にはもちろん\ニュートーーーー!/の歓声。ニュートがシェルターで眼鏡落とす場面では「メガネメガネ」、ジプシーが「念のため」と怪獣にとどめを刺す場面では\もう一回!/\もう一回!/。オオタチの胎児にハンニバルが食われそうになる瞬間は \ハンニバル後ろ後ろ!/\志村後ろ!/ の声も。なんかアレですね、歌舞伎の大向うですね感覚としては。役者の名前読んだりチャリ掛けしたり。なんと言っても、もう、香港市街戦のライブビューイング感がハンパ無い。どうなるかわかっていても\うぉぉぉぉぉ! ジプシーーーー!/って声援送っちゃう。そして最も歓声が盛り上がるのはやはり「お前はどこで死にたい、ここか、それともイェーガーの中か」の場面、ペントコスト司令官出動前の演説シーン、そしてラストの「タイマーを止めろ!」の場面。もう、拍手喝采しながら\うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!/ ってなりますね……本当にこれらの場面のスクリーンと客席の一体感と来たら! ああ、本当にちょっとどうかと思うほど楽しかった! そしてとても疲れた!

映画館側のご好意で映画終了後もしばらく会場内ではコスプレイヤーさんたちの写真撮影会など開かれていたようですが、さすがに立川からの帰宅で終電ヤバいので早々に帰宅。外に出た後の疲労感がもう、映画見た後のそれじゃない。完全にライブで歌いまくり絶叫しまくった後の疲労感。何これ。そういえば上映中に震度3〜4程度のそこそこ大きな地震があり、比較的静かな場面だったので客席も気づいて軽くザワついてはいたのですが、「あー4DXだったらこんな感じで揺れるの?」「KAIJU?」「KAIJU?」みたいな呑気な反応。アレ、香港市街戦かラストの裂け目のシーンなら絶対に気づきませんでしたね。それにしても更衣室提供とか、終映後の会場も使えたりとか、立川シネマシティさんの数々のおもてなしぶりは本当に素晴らしかったですね……遠くてなかなか行けませんが近所にあったらぜひ贔屓にしたいです……。

「忘れられない映画体験」として私の周辺でよく話題に登るのは2000年のカワサキハロウィンオールナイト上映「幻の湖」「マタンゴ」「 緯度0大作戦」「恐怖奇形人間」のカルト映画4本立てなんですが。これ、検索してもらうとわかると思うんですがいろんな人がブログなどに書いてます。夜中特有の「なんでも可怪しい状態」のハイテンションの中で「勝った……勝ったわ!」「お前ら全員半分キノコだ!」などの決め台詞に大爆笑し、人間花火に拍手喝采し、と客席が一体となって盛り上がり、明け方の川崎で始発を待ちながら同行者たちと感想を語り合う、という一連のイベントがそれはもう楽しくてしょうがなかったのですが。今回のパシフィック・リムも同じくらい記憶に残る楽しいお祭でした。まあ2時間の密度という意味では確実に今回の方が上ですしね。たぶん今後もたびたび「爆音上映会」「絶叫上映会」なんてタイトルで上映されていくんじゃないかと思うんですが、「ロッキーホラーショー」における新聞紙とかペンライトとかみたいに、全員がお約束で持ち込む小道具なんかもあると面白いのかもなあ、と思いました。まあ水撒いたり内臓投げたりはさすがに迷惑なんで、何が適切なのかというとすぐには思いつかないのですが。
いやはや、それにしても、本当に、ちょっとどうかと思うくらい楽しいパーティでした!