劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-

はー待った待った。テレビシリーズが2011年4〜9月だから、そこからこの劇場版まで約2年半! 待ちくたびれて忘れかけてたよ! というわけでアニメ「TIGER & BUNNY」の劇場版見てきました。何を言ってもネタバレだと思うので、未見の方は以下要注意!


(以下、がっつりネタバレします)今回の新作はTVシリーズ終了後、虎徹とバーナビーが二部リーグに落ちてしばらくしてからという設定。スポンサーのアポロンメディアも買収され経営的に色々厳しく、バーナビーには新しい相棒ゴールデンライアンがあてがわれて新コンビとして一部リーグに昇格、虎徹ほか二部リーグは解雇、というキビシイ状況。そんな中、シュテルンビルドに伝わる「女神伝説」を模した事件が立て続けに発生し、その犯人である三人のネクスト能力者は「ジャスティスデー」の祝典の中、ヒーローたちを翻弄して……といったストーリー。

能力は減退しリストラされ稼ぎ口の無くなった虎徹、横柄な新人相棒とギクシャクするバニー、新しい技の練習に励むがなかなかうまく行かないドラゴンキッド、自分の空気の読めなさを気にするスカイハイ、いつも敵の後ろから攻撃を仕掛けるばかりで正面から挑めないことに悩む折紙、そして人気欲しさに他ヒーローのキャラの真似をして迷走するロックバイソン。各ヒーローがそれぞれの壁にぶつかっている中で、なんら悩みの無さそうだったファイヤー姐さんは敵の攻撃で昏睡状態に陥り、同性愛や女装のことで悩んでいた自分の過去に夢の中で苦しめられる。そんなふうにそれぞれが苦境に立たされながらも、ここぞという場面でそれぞれの壁を自ら突破して乗り越え、各々の能力を活かしてピンチを脱する。このへんの先は読めるんだけど群像劇として各キャラをうまくサバいてて、胸が熱くなるような王道展開。TVシリーズからのファンはそれぞれのキャラへの思い入れもあるだけに、これは涙無しには見られない。

まあそんなこんなのストーリーがありつつも、後半の見どころはものすごい3DCGのアクションシーン。よくもまあこんなに金と手間をかけたな! そら公開延期にもなるわ! と納得するような映像。ルナティックと虎徹が争いながらビルの間を縦横無尽に飛ぶシーンのスピード感といい、最終的にラスボスだったあの人の巨大ロボの動きといい、まあ最近のアニメ技術は進化しましたね……と感心するような技術力。ヒーローのスーツの動きもなめらかだし、今回は他キャラのヒーロースーツもフルCGになったのかな、特に折紙のビジュアル面がすごく進化したような。逆にちょっとヒーロースーツじゃない素顔の人物の絵が作画崩れがちな場面がちょっと気になってしまうのは否めないけれども、そこも3DCGにしちゃうとさすがに大変なのかなー。

まあ細かいツッコミどころは色々とあり(本当はラスボスだったヴィルギル・ディングフェルダーがメガネ無し&上半身ハダカで登場した時に一瞬「…誰?」ってなったこととか、「そこの乳首、…必要?」って思ったこととか、動機はわかったけど復讐の矛先が広範囲すぎないか、とか)つつも、総じて満足度の高い内容でありました。しかしコレでいよいよ本当に完結なんですかね。TVシリーズ→映画版第一作→映画版第二作、と来てるから、まだなんか出てくるんじゃないの、という気が無きにしもあらずなのですが。ラストもコンビ復活でキレイにまとめていたけれど続編は作れそうな感じにメインキャストは誰も死んでないですからね。はてさて。