劇団☆新感線「ジパングパンク〜五右衛門ロック3〜」(ゲキシネ)

新宿バルト9でゲキシネ上映の「ジパングパンク」観てきました。客席は女性客だけかなと思っていたら意外に中年男性が多くて「ほう」と思いました。この作品、ちゃんと劇場で観ているんですがここの日記で感想書いてないんですよね。ていうのも、見た日が中村勘三郎さんの葬儀の日、その葬儀の真っ最中の時間帯のマチネだったこともあって、(いや、そんなことを言ったら勘三郎さんと縁のあったにもかかわらず舞台に立ってた方々に申し訳ないのは百も承知なのですが)、朝から娘を一時保育に放り込んで浅草平成中村座跡に出かけて勘三郎さんのお骨にお別れ行ったり、そんなこんなでバタバタして疲れた上にまぶたが泣きぬれていて重かったり、とかそんなことで完全にメソメソしていて芝居に集中できなかったのでした。スミマセン。

メソメソしない気持ちで見たらもっと面白いかな、と期待して見に来たんですが、正直なところ「五右衛門ロックシリーズは第一作が一番おもしろかったなー」という感想には変化はありませんでした。まあ今回は物語の主軸が三浦春馬蒼井優という若手コンビにあっただけに、この二人へ感情移入できないと心の底から楽しむのは難しいかなあと。第二作の「薔薇とサムライ」については第一作ほどのハチャメチャ感やお祭感はなかったものの、主軸を担うのが天海祐希さんなのでがっつりと感情移入して観ることができたのですがね。そしてゲキシネで見るととにかくこの三浦&蒼井のアップが多いこと。劇場で見てる時はもっと古田新太浦井健治が前面に出てた気がしたんですが、気のせいでしたね。単に私がサイドの好きな役者をガン見していてセンターの三浦くんを見ていないというだけの話のようでした。

いや、なんか三浦春馬をディスってるような文章になってきましたが、そんなことないんですよ。正直なところ期待以上でした。冒頭からものすごいキレッキレに歌って踊ってるし、殺陣も見事。「こんなにデキる子だなんて知らなかった!」というのが第一印象です。ほんと凄かった。もっと舞台出ればいいのに。ただ舞台だと「暑苦しいシャルル(浦井)」と「涼しげな二枚目明智(三浦)」という対比に見えたんですが、ゲキシネだとアップが多くて三浦くんの大量の汗に目がいってしまい「涼しげ」には見えなくなってましたけどもね。舞台サイズではちょうどいい演技が「ちょっと暑いイケメン」に見えたのは映像ならではかなーと。逆にあんだけ暑苦しかったシャルルがフレームアウトしたことによってそこまで暑苦しい印象が残らなかったのもまた映像ならではかな、と。

まあどうしてもハコが大きくなるにつれ主要キャストも増えてしまい、全員に見せ場を行き渡らせるために話のキレが鈍くなるのはしょうがないのかなーとは思うのですが。しかしゲキシネで見ていても終盤の「秀吉じゃねーよ!(バーン、五右衛門登場)」のところでは映画館で大きな拍手喝采が起きてましたし、4人の名乗りのシーンでも拍手が。お約束とはいえこの展開はやっぱり胸が熱くなるなーと改めて思いました。