マシュー・ボーンの「白鳥の湖」@シアターオーブ


出典:マシュー・ボーンの「白鳥の湖」公式Facebook

来日が決まるたびに友人たちからニヤニヤしながら「今回は何回見るの?」「何スワン?」などと聞かれてしまう私です。ええ、11年前の初来日の時は毎日のように劇場に通ったあげく韓国公演までおっかけてアンサンブルの見分けまで付くようになった私ですからね……。当時の記録はこっそり当時の観劇日記に残してあります。画像リンクなど切れて見づらくなってますが、コレ読むと忘れてた記憶がいろいろ蘇りますね、人生最大の祭りだったんじゃないかというほどのイカレ具合……というか、同じ演目に対してこれだけ感想を書き分けた自分の入れ込み具合、馬鹿だろ、と思いました。
というわけで「一度見てしまうと何度でも劇場にかよってしまう」という恐ろしい演目であることは知っているので、今回は自制のために千秋楽だけチケットを取りました。ゲストダンサーのマルセロ・ゴメスもきっと千秋楽に出演するだろうと踏んでの賭けだったのですが、残念ながらハズレ! 今日のザ・スワンはクリス・トレンフィールドでした。しょんぼり。最後の数公演は異例なことに数日前からキャストが発表されてたので、チケットの売れ行き具合でキャストを組んだのかなあと思わないでもないですが。マルセロ・ゴメスの出演日のチケットももちろん探しましたがなかなか良席が見つからず断念。とほほ。

今回の白鳥/ストレンジャー役のクリス・トレンフィールド、テクニック的な面では全然悪くなかったんですけど、やっぱり存在感というか、この役に欲しい圧倒的な存在感、そして眼力、という意味ではちょっと薄かったです。二幕の白鳥三角フォーメーションのセンターに立った時に「トップさんが群舞にまぎれないか」かどうかが私の白鳥鑑賞ポイントなんですけど、「……惜しい」という印象でした。王子役のサイモン・ウィリアムズ、初演の時の記録を見たら白鳥たちの中のひとりだったのですね。キャストの並び順から察するに「大きな白鳥」4人の中のひとりだったんじゃないかと思うんですけれど。割と好みの顔立ちでした。

それにしても、マシュー・ボーンにどうしてもひとこと訴えたい……。「あなたの好みは坊主なのかもしれないけど! ザ・スワンの役は! 日本公演だけは! 髪の毛を伸ばして!」と。「ドリアン・グレイ」の時も主役が坊主だったのでたぶんマシューの考える「男のセクシーさ」は坊主頭なんだろうと思うんですよね(去年の日記でも私はやはり「ドリアングレイはロン毛でお願い…」的なことを書いてました)。でも日本人女性の目から見ると髪がある程度あったほうがセクシーなんだよぅ……(特に三幕のストレンジャーは!)。11年前はアダム・クーパーもある程度髪の毛あったと思うんだけどなあ。坊主は……坊主はちょっと……。

などとぶつぶつ書きながら舞台写真を眺めてたらマルセロ・ゴメスは坊主でも意外にストレンジャーが似合っていて「やっぱりゴメスで見たかったなー」って思ってしまいました。しょんぼり。


出典:マシュー・ボーン「白鳥の湖」待望の再来日 男だけの白鳥、セクシー、モダンな舞台で普遍的な愛を描く | Daily News | Billboard JAPAN

とはいえ、11年前の自分の覚書を見ていると「毎日のように通って見ていると、同じキャストでも日によってだいぶ印象が違う」ってことがあったりしたので、まあこればっかりはなんとも言えませんね。当時は「アダムなら当たり、ジーザスならハズレ」みたいな雰囲気ありましたけど、最終的に最も印象に残ってるのはジーザスの千秋楽だったりしますし。やはりたった一回の観劇でアタリを引くのは難しいのだなと、過去の自分の記録に教えてもらいました。

マシュー・ボーンの「白鳥の湖
http://www.swan2014.jp

【2014年9月21日(日)12:30開演】キャスト表
The Swan / The Stranger    Chris Trenfield
ザ・スワン/ザ・ストレンジャー: クリス・トレンフィールド
The Prince Simon Williams
王子:サイモン・ウィリアムズ
The Queen Anjali Mehra
女王:アンジャリ・メーラ
The Girlfriend Carrie Johnson
ガールフレンド: キャリー・ジョンソン
The Private Secretary Paul Smethurst
執事:ポール・スメサースト

Swan スワン
カイル・マレー,オーティス=キャメロン・カー,トム・カミングス,トム・ブロデリック,アンドリュー・モナハン,リース・ハイドン・コーストン,マイケル・バーンズ,パルジファル・ジェイムズ・ハースト,エド・ミトン,グレン・グラハム,アシュリー=ジョーダン・パッカー,ハリー・プライス,イヴァン・デルガド・デル・リオ,ルーク・ジャクソン

Ensemble アンサンブル
フレイア・フィールド,キャリー・ウィリス,シャンテル・ゴトベッド,カトリーナ・リンドン,ジェイミー=エマ・マクドナルド,ケイト・リオンズ,コーデリア・ブレイスウェイト,エマ・チャドウィック