宝塚花組「カリスタの海に抱かれて/宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)」


出典:朝日新聞社 STARFILE

明日海りおさんのトップお披露目は前回の「エリザベート」でしたが、今回の公演は「新生花組お披露目公演」といった雰囲気でしたね。娘役トップも変わり、男役も二番手三番手が一気に若返って、なんとも「若い!」「フレッシュ!」な空気感あふれる内容だったと思います。
「カリスタの海に抱かれて」はフランス革命を背景に地中海の島を舞台にした物語。独立を勝ち取ろうとする島の住民たち、そこへやってきたのは島を統治するフランス将校としてやってきたシャルル(明日海りお)。実は島の出身だった彼は、その職務に反して島を独立させたいという気持があった。独立運動の中心人物である幼なじみのロベルト(芹香斗亜)に武器を横流しして強力するが、ロベルトの婚約者・アリシア花乃まりあ)とシャルルはお互いに惹かれ合ってしまい、三人の関係は危うくなっていく。シャルルはナポレオン・ボナパルト(柚香光)に根回しをして島の独立まであと一歩とこぎつけカリスタに戻るが、武器の横流しがバレて処刑されそうに……といった展開。

後半の展開からもうシャルル処刑のバッドエンドの予感しかしなかったものの、最終的には無血での独立運動が成立したということでやや拍子抜けするほどの大団円。まあでも宝塚だからこのくらいのオチのほうが気持は良いですね。他のプロダクションだったら「おいおい」ってなっちゃう展開だけど。脚本もダレる場面はなくまあ楽しく観られました。なにせ明日海りおさん&柚香光さんの軍服姿が、まあ、美しくて眼福。ナポレオンは出番が少ないながらも印象に残るよう演出されていて、この公演で一気に柚香さんに落ちた方もちらほらいらっしゃるようですな。トップ明日海さんは安定の美しさ、そして恋と理想の間で揺れ動く男心を表情豊かに演じていて、見応えのある役柄でした。花乃まりあさんも安定感のある上手さで、トップコンビとして安心できそうな雰囲気でしたねえ。

「FANTASIA!」は台湾公演に持っていく予定だからか、和太鼓をドンドコ使ったり「さくら」の歌がでてきたりと、「和」を意識した感じのショー。とはいえバスケットボール少年のコミカルなシーンでオールディーズ曲使ってたりとかなんかこうイマイチ統一感はない雰囲気ではあったけど。まあでもつまらなくはなかったです。

http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2015/calista/

ミュージカル『カリスタの海に抱かれて』
作/大石 静 演出/石田 昌也
人気脚本家・大石静氏が花組のために書き下ろしたオリジナルミュージカル。
舞台は地中海で最も美しいとされるカリスタ島。この島に生まれながら、数奇な運命に翻弄され、フランスで育ったシャルルは、カリスタ島を統治するフランス軍将校として、再び故郷に降り立つ。時はフランス革命前夜。シャルルには本国フランスの動乱に乗じて、故郷カリスタ島を独立させたいという密かな野望があった。島のレジスタンスの若者達と信頼をはぐくみ、野望は成就するかに見えたが、島の女アリシアの情熱的な愛がシャルルに向かったことで、歯車は狂い始める。
男が英雄になれなかったのは、一人の女を愛してしまったから…。愛と友情、そして故郷への想いの狭間で揺れ動く青年の葛藤をリリカルに描いたラブロマン。
なお、本公演は花組新トップコンビ明日海りお、花乃まりあ宝塚大劇場お披露目公演となります。

レヴューロマン『宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)』
作・演出/稲葉 太地
優美で繊細。情熱的で大胆。様々な魅力を持つ明日海りお率いる新生花組が織りなす幻想曲(ファンタジア)。宝塚歌劇百年の歴史が紡ぎだした伝統に日本古来の美をちりばめて、時にクラシカルに、時に現代的なビートで繰り広げるレヴューロマン。
なお、本公演は新たな演出を加え、台湾バージョンとして第二回宝塚歌劇団 台湾公演(2015年8月)でも上演いたします。