ピッチ・パーフェクト

大学アカペラ部の女の子たちのスポ根風青春コメディ、続編がアメリカで大ヒットと聞いて「gleeみたいな話かなー」と思いつつ観に行きました。ストーリーをざっくり言うと「最初は寄せ集め的な集団だったのが、ライバルグループとぶつかったり、恋愛エピソードがあったり、ケンカしたり色々ありつつも、最終的には団結してコンテストを決勝戦まで勝ち上がる」という、まあ予想の範囲内というか、ベタな話ではあります。

ただまあ、そうはいいつつもアカペラ曲のアレンジのカッコよさ、ショークワイア場面の楽しさはやはりミュージカル好きやglee好きの心を動かします。ハモった瞬間にわっと気持がアガるシーンも多数。最初は保守的なグループだったのが、それぞれの個性を見事に活かした楽曲で一気に決勝戦で花開くあたりの展開は胸熱です。DJ志望だったベッカの「コードが同じ曲をみつけてミックスする」の伏線が突然のアドリブに自然に結びつくところとか、ベッカが気まずくなってしまったジェシーへのメッセージを決勝戦の曲の歌詞で伝えるとこととかも、ああ良いなーと。
まあ決勝戦で急にみんな上手くなりすぎやろ、とか、ベラーズが決勝に進めたのは2位校の生徒が大学生じゃないからだったとか、ツッコミどころも色々あるにはあるのですが。そもそもトレブルメーカーズのバンパーがあの3枚目的な見た目でスターウォーズオタクの子を馬鹿にするのが正直モニョりますわな。見た目のオタク臭さで言ったらいい勝負なのに! 後で気づきましたが監督はBWミュージカル「アベニューQ」演出家のジェイソン・ムーアだったんですね。見覚えあると思ったら主人公のアナ・ケンドリックも「INTO THE WOODS」のシンデレラだったし。

台詞に下ネタは多いし、オーブリー役のアンナ・キャンプは2回も派手にゲロ吐くしで、お上品とは言いがたい映画ではありますが。(そういえばgleeでもブリトニーがTik Tokで派手にゲロ吐くシーンがありましたな……日本ではあんまり映像では見ないですが、アメリカではウケるんですかね?)しかしやはり「歌の力」「音楽の気持ちよさ」を存分に味わえるという意味で、気持よく観られる作品でした。好き。

ちとネタバレですがラストの決勝戦の動画貼っておきますよ。ライバルのトレブルメイカーズのパフォーマンスも良いんだよなー。



ピッチ・パーフェクト
http://pitch-perfect.jp/index.html

【スタッフ】
監督:ジェイソン・ムーア
製作:ポール・ブルックス、マックス・ハンデルマン、エリザベス・バンクス
製作総指揮:スコット・ニーマイヤー
原作:ミッキー・ラプキン
脚本:ケイ・キャノン
撮影:ジュリオ・マカット
美術:バリー・ロビンソン
編集:リサ・ゼノ・チャージン
衣装:サルバドール・ペレス
振付:アーコモン・“AJ”・ジョーンズ
音楽:クリストフ・ベック、マーク・キリアン

【キャスト】
アナ・ケンドリック    :ベッカ
スカイラー・アスティン  :ジェシー
レベル・ウィルソン    :ふとっちょエイミー
アダム・ディバイン    :バンパー
アンナ・キャンプ     :オーブリー
ブリタニー・スノウ    :クロエ
アレクシス・ナップ
エスター・ディーン    :シンシア・ローズ
ハナ・マエ・リー     :リリー
ジョン・マイケル・ヒギンズ:ジョン
エリザベス・バンクス   :ゲイル

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