シン・ゴジラ

正直予告編があまり面白そうではなかったし、近年のエヴァもなんだか混沌としてきてることもあって「庵野監督作品かー、まあ観なくてもいいかなー」と思ってたんですよね。ところがどっこい公開初日からTwitterに流れてくる感想がとにかく絶賛につぐ絶賛で。やばいこれはネタバレを踏む前に早いところ見に行かなければ、と帰省先の実家で親を説得し子どもたちを預けて近所のシネコンに走りました。

(以下、ネタバレありますのでご覧になってない方はまずは映画館へ!)

情報量の多さはさすがの庵野節。映像にいちいち入るテロップももう途中から目で追うのを放棄するレベルでした。序盤は「謎の巨大生物が東京湾に現れて東京に上陸」に対応する内閣や官僚たちのやりとりをリアルに追っていく感じで「ああなるほどこういう視点で来たか!」とワクワクしました。もうむしろこれゴジラ出てこなくてもいいんじゃない? 緊迫感ありつつもどこか間の抜けた滑稽さとかを描いていく感じで最後まで乗り切っても良いんじゃない? と思い始めた矢先の、あの第二形態「蒲田くん」の登場ですよ。なにこれ怖い! キモい! 道路を塞ぐ程度の大きさだから成体ゴジラに比べたら小さいのだけど、立ち上がらずに地面を這って移動するのがリアルに大きさが想像できるレベルで余計に怖い。明らかに3.11の津波を思わせる描写もあってディザスタームービーとしてリアルに怖い。ひー、これ娘を連れてこなくて良かった、見たら泣くわこんなん……と思いましたねえ……。

蒲田くんが一度海に引っ込んで日常が戻ってきたかとおもいきや、今度は進化した形態で鎌倉から上陸、釜利谷方面へといってたから鎌倉→横浜→川崎と移動したんだろうけど、横浜の丘陵地帯をあの脚で移動するの結構大変じゃないかな、と思ったりもしたけどどうなんでしょうね。まあとにかく知ってる地名が出てきて知ってる光景を壊していくのが怖くも楽しい。自衛隊多摩川防衛戦もワクワクしましたが突破された時の絶望感もすごい。内閣メンバーもびっくりするほどあっさり死んだり。そして泉ちゃんの集めた個性的な巨災対メンバー、いい! 各省庁からはみ出し者を集めるってそれオタクが一番好きなヤツ! もうみんな書いてるけどほんと市川実日子尾頭ヒロミ高橋一生の安田、このふたりのキャスティングほんと最高。すばらしい。

どこまでもリアルに「今の日本にゴジラが現れたら」を描いていくのかと思っていたら、最後のヤシオリ作戦で急に庵野監督が5歳児に戻るのも良かったですねえ。無人新幹線爆弾と無人在来線爆弾のインパクトね……! デルトロ監督がパシフィック・リムで「怪獣とロボットを戦わせる」っていう5歳男児の夢を叶えたかと思っていたら、庵野監督は「怪獣をプラレールでやっつける」っていう方向で5歳男児の夢を叶えたんだなあ、とそんなことを思いましたよね。血液凝固剤流しこむポンプ車の活躍といい、この映画の感想は「ぼくが考えたさいきょうのかいじゅう」「それをやっつけるはたらくおじさん」「あと、はたらくのりもの」っていう3点に絞られるな、と思いましたよ。

ラストシーンのゴジラのしっぽの人間ぽい姿、あれなんだったんでしょうね。観てる時は博士が取り込まれた姿なのかなと思ったんですが、まあ庵野監督お得意の思わせぶりなアレでしょうか。まあしかし全編にわたって細かい突っ込みどころいろいろあったと思うんですが、1回しか見てないのでざっくりした感想だけとりあえず。もう一回みたいところですが他にも観たい映画もあるので、wowow放送を待つことにします。しかしこれ地上波放送あったらさぞ実況TLが盛り上がるんだろうなあ! 無人在来線爆弾の瞬間はバルス並に盛り上がりそう。ああ楽しかった。