ゴーストバスターズ(吹替版4DX)


1984年の映画はたしか映画館で観たような気がします。当時小学生だったので多分親と観に行ったんでしょうね。主人公たちを男性から女性に変えてリメイク……と聞いた時は「なぜ今……」と思った程度で特に興味もなかったのですが、公開後に聞こえてくる評判がとても良かったので観に行くことにしました。観た人が3D鑑賞をオススメしてるのでならばいっそ4DXの方が良かろうと久々に4DX体験してきました。
冒頭でいきなりゴーストからエクトプラズムのゲロを浴びせられるシーン、3Dで吐かれた上に4DXなのでびしゃああああと水もかけられます。いきなり洗礼を受けた気分。その後も何度か主人公たちがスライムまみれになる場面がありますが、そのたびに水をぶっかけられてスライムまみれな気分が味わえるという……。冒頭のホラーシーン、4DXの演出がつくとまじでちょっと怖い、と思いましたから、ガチなホラー作品を4DXで見るのは結構心臓に悪そうです。この映画は基本コメディなのでまあ安心して見てられましたけれど。かなり3D効果を意識した場面が多かったので、アトラクションムービーとしてとても楽しむことができました。

子どもの頃にオリジナルのゴーストバスターズを見てて、そして今やリメイク版の主人公たちと同世代になった女性、という意味では、私はターゲット層どまんなかなんでしょうね。3〜40代の女性たちが、好きなことを研究して、仲間とキャッキャと楽しくやって、武器を振り回して敵をやっつけて、友情で窮地を乗り切って、最終的に自分たちの理想の城を手に入れて……って、もう、最高なやつじゃないですか。女子が楽しく生きるための理想そのものじゃないですか。恋愛の要素とか、エリンがケヴィンにちょっと惚れるんだけどその恋の行方なんかほんとどうっでもいい扱いで。ああ、楽しそう、あの4人と友だちになってキャッキャしたい、って思いましたよね。20代の若くてキレイな女優さんじゃなくて、アラフォーのコメディエンヌたちで構成したこの布陣、最ッ高だな!と思いました。

やーしかしホルツマン最高!っすねー。観た人がみんな声を揃えてホルツマンを称えているのがわかります。とにかくカッコイイ、惚れる。二丁拳銃ひっこぬいて、あのテーマソングに乗せてバッタバッタとゴーストをなぎ倒していくシーン、もう最高すぎて爆笑しましたし、爆笑しながら涙が出そうになりましたし。両サイドの席に誰もいなかったら拍手して膝バンバン叩いて喜びを表現したいくらいでしたよ。もうホルツマン、抱いて!って思いましたよね……。

そしてすごいイケメンなのに頭が軽すぎて残念な受付男子のケヴィン、なんでこんなおバカな設定にしちゃったんだろうと思ったけど、そうか「頭が悪いけどおっぱいが大きくて美人な受付嬢」のパロディ(あるいは皮肉)なんだなーとちょっと思いましたね。しかし毒のある風刺というよりは、クリス・ヘムワーズの演じるケヴィンのキャラが可笑しくて可笑しすぎて、そういうジェンダー的な観点でテーマを深読みするのもどうでもよくなるような勢いでした。アベンジャーズでは神様なのに、なんという残念なイケメン扱い……! そしてエンドロールで流れるクレジットの後ろでずっと踊ってるのも最高でした。ああ楽しかった。

まあしかし2014年のアナ雪、2015年のマッドマックス怒りのデス・ロード、そしてこの2016年のゴーストバスターズと、”女性の連帯”を描いてる映画が毎年出てきてるのは面白い傾向だなあと思います。ジェンダー論の視点から書かれたレビューも面白いですしね。経済的には閉塞感漂う現代ですが、子どもたちの世代の女性にとって、未来は明るいのかもなあとちょっと思ったりしました。