十二月大歌舞伎「あらしのよるに」子連れ観劇レポ

Twitterに上げたものを再掲しますね。小学1年生(7歳)の娘を歌舞伎座に連れていったレポートです。

あらしのよるに」を最初観た時は「ああこれ3年後くらいに再演してくれたら娘を連れて見に来ようかなぁ」くらいの気持ちだったのですが。まさか興味を持つとは思わなかったので「うぐぐ……発売日前に言ってくれたら三階席のチケットが買えたのに……」と歯噛みしたりもしました。正直7歳で歌舞伎座なんてまだ早すぎるんじゃないかと思いましたが、わかりやすい演目なので楽しく観られたようです。(ちゃんとストーリーを追えるように事前に原作も読み聞かせておきました)

Twitterでは「こんなお母さんいいなあ」「自然な形で観劇マナーを学ぶって素晴らしい」などの反応があり、「あ、そうなのか」とちょっと救われた思いでした。というのも私にとっては劇場って完全に趣味・娯楽の場なので、チケット代ってなんとなく「浪費」な感覚がありまして、高いチケット代を出すのも正直ちょっともったいない感があったのですが。でも考えてみれば子どもにとってはナマの歌舞伎座は立派な文化体験なわけで、伝統芸能を面白く観ることができる、そういう機会を作ってあげられたことは良いことだったのかなぁなんて、後からちょっと思いました。

千秋楽は冬休みの平日ということもあって観客席には他に子どもたちの姿がとても多かったです。客席の1割近くは子どもだったんじゃないでしょうか、こんなに子どもが多い歌舞伎座は初めて観ました。隣の席のご婦人も「まあ、こんなに小さなうちから歌舞伎座なんて幸せね、本当に幸せ!」とニコニコとおっしゃってくださいました。この日は他の席の子どもたちも割と静かに観ていましたが、喋ったり飽きたりしている子どもがいたというツイートも見かけました。「あらしのよるに」は子どもにもわかりやすい演目なので、次はぜひ納涼歌舞伎の第一部あたりで上演して欲しいものですが、平日に子ども料金など設けて「子どもが観に行きやすい日」を設けてもらえると(そして事前に他の大人の観客にも「この日は子どもが見に来る日だ」と認識してもらえると)親にとっても心のハードルが下がるだろうなあ、と思いました。うちの長女は映画館や劇団四季くらいは行ったことがあるので、まだ「なんとかグズらずガマンできるだろう」という見込みもありましたが、大人でも初心者にはハードルの高い歌舞伎座に、いきなり親子で観に行くのはやっぱり普通はためらいますもんね。あるいは日生劇場国立劇場あたりでファミリーミュージカルならぬ「ファミリー歌舞伎」として、完全に親子向け上演にしてもらえると観に行きやすいかな―とちょっと思ったりもしました。