マグニフィセント・セブン

「髑髏城の七人」は好きだけど考えてみたら「七人の侍」も「荒野の七人」も見てない、西部劇にそれほど深く愛情があるわけでもない……という状態だったので、まったくのノーチェックだったのですが、Twitterでやたらこの「マグニフィセント・セブン」評判が良かったので観に行きました。最近このパターン多いですね。

で、もう、これ、「おっさん萌え」の塊のような映画でしたね。「おっさん萌え」で二時間ずっと殴られてるような映画でした。ひとことで言うと最高です。西部劇っつったらもう男のロマンでしょ、女にはわからんでしょ、なんて一部の男性は言うのかもしれませんけどね、女性から見たらもうこれ萌えしか詰まってないんですけどどうしたらいいでしょうか、って感じでしたね。
まーとにかくカッコイイ。チザム役のデンゼル・ワシントンの孤高の渋さ、馬上ガンアクションの絵になること、もう、これを尊いと言わずしてなんだろうというのか。「黒いダイヤモンド」とはよく言ったもの。そして二番手ファラデー役、クリス・プラットの軽妙さも良い。命の価値がやたら安い殺伐とした世界観の中での清涼剤というか、二時間疲れずに見てられたのは彼のお茶目なキャラあってこそというか。ヴァスケスとの憎まれ口の他叩き合いもね、「相棒」の亀山☓伊丹コンビっぽくて好きですよ。

そんでもってブロマンス好きにはたまらないのが、イーサン・ホーク演じるところのグッドナイト・ロビショーと、イ・ビョンホン演じるビリー・ロックスのコンビね! 腕は良いけどトラウマ持ちでちょっと行動が不安定なグッドナイト、東洋人であることを理由に差別されてきて暗い目をしているもののグッドナイトにだけはワンコのように忠実についていくビリー……、そう、私が絵描きならこのふたりの関係性だけで薄い本を量産できるくらい妄想がはかどるヤツですよ。しかもイ・ビョンホンのナイフアクションがまたかーーーーーっこいいんですわ。はあー。

そんでもって森のくまさんのようなジャック・ホーンと、ネイティブ・アメリカンのレッド・ハーベストの、食べ物をめぐるやりとりのあたりもちょっとほのぼのしてて好きでした。ああこれも私が絵描きなら(以下略)。なんてーか7人のキャラをこういう配置にするあたり、監督はこころに乙女を飼っているね、間違いない……! と思いましたよ。

萌え語りしかしてないですがまあほんと「カッコイイ絵」を詰め込んだ楽しい映画でした。終盤、全員生き残るわけではないのが髑髏城と違ってちょっとツライところではあるのですが、まああれだけのドンパチ戦やったらそらそうですよね。初見ではやはり後半のドンパチまでの準備期間がじれったく感じる部分もあるんですが、二回目以降の鑑賞だと最終決戦前の時間を落ち着いて楽しめそうなので、またWOWOW放送あたりでリピートしたいと思います。