ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

最高……
と、ひとことつぶやいて後は深々とため息、そんな映画でした。
よくある「語彙力喪失」というよりは、いろんな感情が湧き出してきちゃって喉元で感想が大渋滞起こした挙句にやっと出た一言、という感じです。ノリの良さとくだらないコントに騙されてゆるーく観ていたら終盤でストレート豪速球で親子愛やら絆やらの球を投げられて涙腺がぶっ壊れてしまってもう大変。前作1が既にもう最高の作品だったので「あれを超えずともまあ同じレベルの作品が出てくれば……」と思っていたら驚いたことに軽々と前作を超えていて、もうジェームズ・ガン監督大好き!愛してる!と思いましたよ。

さて、以下はネタバレありで感想書いていきますので未見の方はご注意を。

冒頭、惑星ソヴリンで巨大な触手生物と戦うガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバー……なんだけど、肝心な戦闘はすっかり背景においやられて、音楽に合わせて踊るベイビー・グルートの可愛らしさが大フィーチャー。すっかり2〜3歳相当の幼児状態になってしまったグルートに、戦闘の真っ最中でも「こらっ、変なもの食べるな!」「あぶないから下がってて!……ハァイ(にっこり)」とまるでただの保護者のような4人。可愛すぎか!可愛すぎか!

エンパシー(共感力)を持つ新キャラ・マンティスにガモーラへの想いを暴かれてしまった時のクイルの気まずそうな顔とバカウケしてるドラックスの場面、ドラックスとマンティスの馬鹿笑いにつられてついつい笑っちゃうんだけど、あそこのクイルの顔がいいんだよなークリプラ可愛すぎて。もう。

なんか所々ゆるーいコントみたいな笑いの場面があるんですよね。ラヴェジャーズの船で囚われたヨンドゥとロケットが、グルートに指示を出してヨンドゥのフィンを取ってこさせようとする場面。何度やってもグルートが別の物を持ってきてしまうっていうベッタベタなギャグなんだけど、ここも苦い顔をして首を振るヨンドゥの表情がすごく可愛い。さっきから可愛い可愛いしか感想書いてないんだけどしょうがない。可愛いんだもの。

あと予告編でも使われてた、ロケットとグルートの起爆装置のボタンをめぐるやりとり「押すなよ!絶対押すなよ!」のダチョウ倶楽部的なギャグ、まさかあんな終盤のクライマックスの場面で出てくるとは思いませんでしたよね。ものすごい激しい戦闘の場面なのに「誰かテープ持ってないか」なんてやり取りしてるとか、なんなのこのゆるさ。可笑しすぎる。

……ってすっかり油断してたからさぁ、いくら死亡フラグがバリバリに立ったからってまさかヨンドゥがああなると思わないじゃないですかー! うわーん! 前作だって宇宙空間に投げ出された時にクイルがギリギリ助かってるんだもの、同じ状態のヨンドゥだって助かると……助かると思ったのに……まさかの葬式……なんならあそこからだって生き返るんじゃないかってちょっと期待してたのに、まさかの火葬……うわーん完膚なきまでに死んでる! もう生き返らない! マジか! ってそこまで来て、もう一回終盤のクイルとヨンドゥのやり取りを脳内プレイバックして号泣したし、クイルの回想シーンに一瞬だけ出てきた「少年クイルに銃の撃ち方を教えるヨンドゥ」の場面のふたりの笑顔、アレでもう嗚咽が漏れるかと思いましたよね。つらい! うわーん!

っとまあ今回もなんやかや行きがかり上エゴを倒して銀河を救ってしまったガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。このまま次回作ではネビュラとクラグリン、マンティスもメンバーに加わるんでしょうかね。ラストカットではベイビーグルートがちょっと成長して反抗期を迎えていて、部屋に閉じこもってゲーム三昧、「ヨンドゥも苦労したぜ」とつぶやくクイル(吹替版では「ヨンドゥの気持ちがわかるぜ」だったかな)。セリフについ笑っちゃうんだけど、亡くしてからヨンドゥの気持ちに気づくというのもちょっと切ない。そう、「ウォークマンまで壊しやがって!」とか「300曲も?」とかクイルの音楽にまつわるセリフ、あのへんもつい笑っちゃうんだけど、あれ「母親が唯一残してくれた音楽を奪いやがって」って意味にもなるからすごく切ないし、それを補うように300曲もの音楽をヨンドゥが贈ってくれたのかと思うとまたぐっとくるし。クイルが音楽を大事にしてるって知ってて地球でわざわざ入手してきたんだって思うとまた「ヨンドゥーーーーー!」って泣きそうになったりして。

なんだかまとまりのない感想をだらだら書いてきてしまったけど、本当に笑いと涙と切なさと面白さが塊で襲ってくるような映画で、うまく感想をまとめることができませんね。全体的に明るく楽しいトーンの痛快スペース・オペラで、ほんとマーベル作品の中で一番大好きかもしれません。アクションシーン単体の見応えという意味ではキャプテン・アメリカシリーズの方が好みだったりもするんですが、ストーリー面やキャラクター面などの総合点では圧倒的にGOTGに軍配、という感じです。いやー本当にもう、最ッッッ高!でした!