マイティ・ソー バトルロイヤル

MCU作品を観始めたのが2014年のGOTGあたりからなので、実はまだちゃんとシリーズ1作目のマイティ・ソーも2作目のダーク・ワールドもちゃんとみていないんですよね……とボヤいていたら「大丈夫!全っ然大丈夫!」とお友だちに背中を押されたので観てきました。やー単純明快で面白かったです。

ざっくりしたあらすじ。ソーとロキには実はおっそろしいお姉ちゃんヘラがいて、その力の強大さゆえに封印されていたのだけど、それが解き放たれてアスガルドを支配しようとする。ソーはそれを阻止しようとするけど惑星サカールにふっとばされて、サカールの支配者・グランドマスターに捕らえられ、バトルロイヤルの戦士としてチャンピオンと戦うハメになる。闘技場に現れた相手のチャンピオンはなんとあのハルクで……といった内容。なんかソーはほんとめんどくさい兄弟しかいませんね! 兄弟ゲンカにいちいち世界を巻き込んで滅亡の危機とか。もうー迷惑だからあんたたちほんと兄弟ゲンカやめてー?と思ってしまいます。

ラグナロク(原題)って言ったら世界の終末の日って意味合いのタイトルで相当深刻な状況の話のはずなんですけど、こまめに笑いを挟みながら展開するライトな展開で、割と何も考えずに楽しむことができました。ほぼコメディといった感じのアクション物でしたね。ロキってアベンジャーズの一作目ではラスボス的ポジションだったのに、今回はなんかこすっからくてお茶目な脇役、みたいな立ち位置になっちゃってるし。いやもちろんお茶目なトムヒはもちろんそれはそれで美味しくいただけるんですけれども。その代わりにラスボスな位置にいるのがケイト・ブランシェット演じるヘラ姉ちゃん。つよい!無敵!おっかない!あとで吹替が天海祐希さんだと知ってああーこれは吹替版も観たいな、と思ってしまいました。

ドクター・ストレンジも冒頭ちょこっと出てきてソーとの絡みがあり、ベネさん主演の映画「ドクター・ストレンジ」を観てる人には嬉しいエピソード。ハルク=ブルース・バナーとソーのわちゃわちゃしたやりとりも楽しい。この辺はやはりちゃんとMCU作品ちゃんと観てる人ほど楽しめるやつでしたね。グランドマスターがなんか既視感ある、というかGOTGのコレクターとキャラかぶってない?と思っていたら、どうやらこのふたり公式設定で兄弟らしいですね。あえて寄せてたのか!

アクションシーンはソーもヘラも「ひとりで大勢をなぎ倒す」という、コーエー無双シリーズみたいなやつでした。MCU作品でもキャプテン・アメリカシリーズは比較的地に足のついたアクションというか、あんまり力のインフレが起きてないやつなんですけど、こっちのシリーズはもう笑っちゃうくらいにセンターの人がつよいヤツですね。いい意味で頭悪い感じで、これはこれでレイトショーで何も考えずに見るには楽しいやつでした。

いままで正直GOTGシリーズとアベンジャーズシリーズってあんまり世界観交わってない気がしてたんですが(GOTGはがっつりスペオペだし、アベンジャーズはほぼ地球が舞台なので)、この作品みたら「ああー繋がった!」と思いましたね。惑星サカールでのエピソードなんかは特にGOTGのいる宇宙のどこかで展開してる物語という感じがありました。あとアベンジャーズキャプテン・アメリカのシリーズがどんどんシリアスさを増して悲壮になっていくのに比べて、この作品はだいぶ能天気テイストというか(まあアスガルド滅亡に関しては相当悲壮な感じなんですが)、だいぶギャグが多い内容で、楽しく観ることができました。

そういえばあのソーのトレードマークでもある長い髪を切ってしまったのは何故でしょうね? いや、短髪のほうがカッコイイので大歓迎なんですが、あまりにふつーにカッコイイので「単に監督の趣味……?」とか思ってしまいました。嫌がるソーの髪を喜々として切るのがスタン・リー御大だったので「今回はここか!」と笑ってしまいました。