宝塚花組「Delight Holiday」@舞浜アンフィシアター

 
 
花組全国ツアーに続いて別箱公演・舞浜アンフィシアター行ってまいりました〜。神奈川から東京またいで千葉まで、もはやちょっとした遠征です。
こちらは明日海りお・仙名彩世トップコンビを中心としたコンサート形式のショー。二時間ぶっつづけ休憩なしの構成も宝塚では珍しいですね。アンフィシアターは初めて行ったのですが、面白い構造のハコですね。270度ぐるりとステージを囲む半円形の客席で、キャパの割には最後列からでも比較的ステージが近いように思いました。ステージと客席の一体感があるし、割とサイドの席からでもあまりストレスがないので、こういうコンサート形式の作品にはすごくいい箱だなあ!と思いました。

 

オリジナル曲から始まり、3曲目の客席参加型の主題歌「Delight Holiday」でみんなが公演グッズのペンライト持ちながら踊るというオープニング。ペンライト率7割くらいあったんじゃないでしょうか、しかもみんなちゃんと踊りを予習してるのさすが!と思いました。まあ簡単な振付なのでスカステか公式の動画を1〜2回見れば覚えられるんですが、それにしても予習率すごい。そこからジャズのスタンダードナンバーのコーナー、平成のJ-POPヒット曲30年分メドレーのコーナー、明日海りお過去主演作のナンバー4曲を歌い継ぐコーナー、ディズニー映画曲メドレー、クリスマスソングコーナーと続いていく構成でした。合間に挟まるみりおの天然キャラ炸裂なふわふわしたMCの印象もあいまってか、全体的に「カッコいい系ライブ」というよりは「ふわふわした幸福感に満ちたほのぼのコンサート」の印象が残るステージだったと思います。
 
以下、感想を箇条書きで。
  • 娘役たちがダルマにタコ足の衣装で半纏はおってこたつに入るコントコーナー、見た目がすごい。シュール。
  • そこからみりおの映像「楽園はすぐそこ……」からのイエローモンキー「楽園」の流れね!一気にアダルトかっこいい雰囲気になってテンション上がる〜。みりおが階段に置いたハットを猫にみたてて「猫も連れて行こう〜」の歌詞のところでハット猫の顎をゴロゴロするの可愛いがすぎる。
  • この曲の間奏で登場する男役女装。鳳月杏さんの女装にオペラグラスをロックオンしてる間に、みりおがタキシードのネクタイ外して喉元のボタン外していました……その仕草を見たかったのに見逃した!不覚!
  • そして曲のラストで鳳月杏さんにひざまづくみりお、見上げたその顔を両手で挟んでキスする鳳月さんというこの絵面……ありがとうございますごちそうさまでした。
  • J-POPコーナー、最初の方は懐かしくて死にますね。プリンセスプリンセスのダイヤモンドとか平成の曲かあ〜ってなりましたよ。
  • きよしのズンドコ節をうたう聖乃あすかちゃんかわいい〜。
  •  ポルノグラフィティサウダージ、「女性視点の歌詞を男性ボーカルが歌った曲を本来は女性である男役が男役の状態で歌う」っていうの、「いまこの次元はどこ?」的な気持ちになりますね。
  • BUMP OF CHICKENの天体観測って2001年の曲なのか……そんな前か……ってなってちょっと震えました。 
  • 会場通路を通る山車?フロート?に乗るのはみりおだけかと思いきや、仙名彩世さんもHero歌いながら通ってくれました。かっこよかった〜。
  • 鳳月さんが歌うシャ乱Qの「ズルい女」はずるい。くっそカッコいい……。そして三浦大知「EXICITE」もありがとうございます。この選曲ナイス〜。
  • ヒット曲メドレーのラスト、平成30年のヒット曲はもちろん「U.S.A.」。あのちょいダサな振付もタカラジェンヌがキレッキレに踊ると、ダサさが可愛らしさに変換されてしまって、それはもう可愛いとカッコいいの大渋滞でした。盛り上がる〜!
  • 日替わりの過去作ナンバーはBパターンで「春の雪」「ロミオとジュリエット」で懐かしかったですねえ、一気に役の顔に切り替わるのすごい。しかしAパターンの「アリスの恋人」「エリザベート」も思い入れある作品だけに見たかった、残念。
  • 「EXCITER!」のテーマ曲で客席降りうれしい。楽しい。
  • ディズニーメドレー良かったなあーもう名曲揃いだし歌う生徒さんとの組み合わせも絶妙! トップコンビによるアラジンのホール・ニュー・ワールドなんかもううっとりの極みだし、「モアナと伝説の海」のメインナンバーを歌い上げる城妃美伶ちゃんも「アナと雪の女王」のレリゴー歌う仙名彩世さんも、美しくて凛々しくてさすがのヒロイン力。鳳月さんの「リメンバーミー」なんて泣くわもう。古い王道のディズニー曲より割と最近のディズニー映画の曲が選曲されてたのが新鮮でした。
  • みりおとゆきちゃんのデュエットダンス、美しかった……。ゆきちゃんはこの後サヨナラ公演が一本物だから、ショーは実質これが最後という感じになるんでしょうかね。まあ一本物でもフィナーレにデュエダンはあるはずですが、なんかいろいろしみじみとしてしまいました。せっかくコンビとしてしっくりしてきた矢先だったので、もう少し見ていたかった気がします。
  • フィナーレは全員Tシャツ姿でテーマ曲&観客参加ダンス。楽しい。でも宝塚メイクでTシャツ姿ってなんとなくしっくりこないなー素化粧のほうがいいのになーと少し思いましたが、まあそこはさすがに時間ないでしょうね。しかしTシャツになるとみなさんの体の細さがすごい……あの細さのどこからあんな体力が……
 
というわけで大変楽しいノンストップ二時間のショーでした。クリスマス時期に舞浜の夢の国の雰囲気の中でこのハコでこういうステージ、本当にいいなあ、来年からも宝塚の定番になってくれないかなあ、とそんなことを思いました(遠いけど)。そして、なんというか、明日海りおさんもトップ就任してもうだいぶたつので、おそらくカサノバの次かその次くらいで退団となる時期でしょうし、コンサート・ライブ形式のショーというのはその布石という気がしていて。ディナーショーももしかしたら退団前にあるのかもしれませんがもはやチケットが取れる気がしないし、武道館ライブ1dayとかでも日程が限られて行ける気がしませんしそこそこ日程とキャパのあるコンサートで良かったなあ、と。こういうステージを観られるのはこれが最後かもしれないなあと思いながら、いろんな思いを噛みしめるように観てしまいました。MCがゆるゆるふわふわのみりおらしいほんわかタイムでしたが、それでも歌って踊ってる間はトップ男役として十分すぎるほどにカッコいいからあれで成立するんだよなあー、二番手のギラギラした時期だとああはいかないよなあー、とそんなことを思いました。