レディ・プレイヤー1(4DX吹替)


タイトルだけみて「レディ・プレイヤー」というシリーズものの1作目……?などと思っていましたが「READY PLAYER ONE」の字面を見てようやく「ああ!そういうこと!」と思いました(遅い)。ゲーム画面の冒頭ででてくる「プレイヤー1さん、スタンバイ!」の意味ですね。

ということでスピルバーグ御大が描く「VRゲームの世界で展開する宝探し」モノ。VRが舞台ってことでCGゴリゴリの未来SFなんですけれど、ストーリー展開は謎解きと宝探し、そして巨悪との戦闘……と、王道中の王道でしたね。創始者のハリデーが「イースターエッグの謎を解いたものにオアシスの所有権を譲る」って残したメッセージのくだり、ワンピースでゴールド・ロジャーが言う「この世のすべてをそこに置いてきた!」みたいだな!と思いましたよ。

いやしかしこれはアトラクションムービーとしては最高でした。3Dメガネをかけてスタンバイする瞬間と、劇中で登場人物がモニターゴーグルをかける仕草が重なるというか。特に冒頭のレースシーンなんて絶叫アトラクションそのもので、思わず肘掛け握ったし、何度か叫びましたよね。しかも4DXでガンダムvsメカゴジラという謎の組み合わせの戦闘シーンが見られるとか、もはやわけがわからなすぎて爆笑してしまいました。「俺はガンダムで行く」ってセリフ、ネタかと思ってたらめっちゃクライマックスでめっちゃいい感じに出てくるやつなんですねー。

もうこれほんといちいち権利関係者に許諾とって映像OKもらうの本当に大変だっただろうな!と思うほど80年台ポップカルチャーのゲームやらアニメやら映画やらが次々登場するんですが。AKIRAの金田バイクがCGで疾走するとかああいうのねー!(そういえばAKIRA実写化どうなった?)あの時代に青春時代を送った世代はほんとたまらないんじゃないかと思いますね。多分いま40代後半〜50代くらいの層がジャストターゲットなんじゃないかと思うのですが。(私の歳だとギリギリ「知識としては知ってるけどリアルタイムでハマってない」感があったので)。

まあ基本的にはアトラクションとしてとっても楽しんだんですけれど、ラストが「2018年公開の映画なのに『ゲームの中よりリアルの世界のほうがいいよ!』ってそんなオチ?」っていうヒネリの無さにはちょっとびっくりしたりとか。もうそんなん散々言われてきた旧世代の主張じゃないですか? せめてそこは「VRゲームではリアルの世界で接点の無い人との出会いがある」みたいなところに落とし込んでくれないかなーと思ったりしましたよね。本当はもっとそこんとこ新しい描き方してほしかった気がしますけども。ゲームアバターのCGビジュアルとかもあんまり好みのタイプじゃなかったというか、本当に2045年のゲームかな、むしろ一周回ってこのキャラが新しい絵柄になったのかな、とか。この辺のビジュアルコンセプトが「微妙に懐かしいSF感」が少々。あえてのレトロフューチャーなのかな、とも思いますけれど。

まあそんな感じで「微妙にコレジャナイ感」はありつつも、「パッとしない少年が冒険の果てに仲間たちと巨大企業の陰謀を阻止して勝利する」という王道展開はただただ胸熱ですし、知ってるキャラが次々出てくるのも「あれも!これも!」とワクワクする気持ちになります。スタッフたちもさぞ楽しんで作ったのだろうなと思いますね。ジャストミートする世代の方にはたまらない映画だろうなーと思うので、もう一回り下の世代がこういう映画作ったらどうなるのかな、というのも観てみたい気がします。