ボヘミアン・ラプソディ

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出典:映画「ボヘミアン・ラプソディ」オフィシャルサイト

 

いやー!良かった!
そこまでクイーンに思い入れがないので伝記映画見てもさほど……と思っていたのですが、映画を普段見ない層の方からも絶賛のツイートが流れてくるようになったので、これはよっぽどだぞと思って見に行きました。そしてまんまとクイーンのファンになって帰ってきました。いやほんとこれおすすめなのでぜひ観ていただきたい!クイーンやフレディ知らなくても全然!大丈夫!です!
 
バンドが成功に向かって駆け上がり、栄光をつかみ、ボーカルがソロとして独立してバンドにケンカ別れ、孤独を感じたボーカルがメンバーの元に戻り、そんな中で全世界に中継されるライブエイドへの出演が決まり……と、バンドの盛衰と復活の物語としてはまあ「ありそうな話」だし、そのボーカルが不治の病に侵されてしまい残された時間が少ないからこそ結束が高まるとか、物語として「できすぎじゃない?」とも思うんだけど、まあでもほぼ事実をベースにした話ですもんね。もうほんと観てるとクイーンのファンになってしまいますよ。サントラ欲しくなるし、ライブエイドの映像漁って観たくなってしまうし。バンドのメンバーがわちゃわちゃしてるところなんてバンギャルの大好きなやつじゃないですか、バンド萌え映画としても最高のやつです。しかも「好きなバンドが音楽性の違いやらボーカルのソロ独立やらで解散し、しばらくして再結成した」という経験を持つ人だったら、思わず自分の好きなバンドに重ねて涙せざるをえないやつですよ……。
 
一方でフレディが同性愛者だったり移民だったりというあたりでマイノリティへの差別や迫害、孤独感も描かれていて、この辺がやはり映画をぐっと引き締めて「映画らしい映画」にしているなあと思いました。これ脚本と演出、あるいは編集がよく出来てるんでしょうね、「物語として出来過ぎ」と思えるくらいにうまい具合にエピソードを取捨選択してると思いました。クイーンのメンバーによると時間軸が入れ替わってる箇所もあるにはあるけどほぼ事実だといいますし。バンドがケンカ別れしてる状態の時は好きなバンドが活動停止してるときのようなつらさもありますが、その後、仲直りからのライブエイドの高揚感がそれはもう凄まじく、これは何度でもおかわりできるやつだな!と思いました。
 
クイーンについては中学高校の頃に「好きなアーティストが影響を受けたと言っていたから」という理由でベスト盤を少し聞いた程度で、あとは劇団☆新感線で右近健一さんがよくフレディ・マーキュリーのパロディをやっていたイメージが強く、「なんか面白い格好のおっさん」くらいの印象しかなかったんですよね。フレディ・マーキュリーとジョルジュ・ドンへのオマージュ作品であったベジャールの「バレエ・フォー・ライフ」を見に行った時も、フレディの映像を見て「なんかちょっとおもしろい格好のおっさん」と思ってしまい、感動的な展開とのギャップになんか面白くなってしまったことを覚えています。いわゆる二次創作的な部分でクイーンのイメージを植え付けられていたので、今回この映画でようやく「ああークイーンってかっこいい!」って素直に思えました。サントラ、買おう。