「エリザベート」@帝国劇場

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出典:Introduction|帝国劇場 ミュージカル『エリザベート』

 

3年ぶりのエリザ観劇、今回は長女と一緒でした。もうストーリーやらなんやらについては散々語ったので今回バージョンの感想についてと子連れ観劇の感想のみメモ程度に触れます。2019年バージョンは2015年版の演出や衣装装置をほぼ踏襲。このバージョンはリピートしてるわけじゃないので細かいアップデートはあるかもしれないけど、大枠は2015バージョンで大きな変更点はなかったかなと思います。オケのアレンジかテンポが変わったかな?と思った箇所もあり。「愛と死のロンド」はたぶん前奏部分が変わっていたと思います。聴き慣れない演奏に「おやっ」と思いました。


役者。シシィ役は月組退団後初舞台の愛希れいかちゃん。メイクが宝塚と違うのかな、ちょっと雰囲気かわりましたね。もちろん良かったんだけど、井上・成河コンビのパワープレイに挟まれてしまうともう少し声にパンチ力が欲しいな……と思ってしまったのが正直なところ。この辺は組合せによっても受ける印象が変わるかもですね。

トート役は井上芳雄閣下。2015年にトート就任発表されたときは正直キャラではないのでは……と思ったんですけど、ごめんなさい、もう素直に謝ります。あんだけの声量で帝劇に声を響き渡らせるのはいまや芳雄王子しかいないね……!「閣下」の称号にふさわしい貫禄だったのではないかと思います。あと手の振りにキレがあってとても美しい。手の見せ方を意識的に研究してる人の演技だなあとそんなことを思いました。あれはたぶん宝塚男役の手の使い方に少なからず影響を受けてるんじゃないかかと思うのですが、どうなんでしょう。子ルドの「昨日も猫を殺した」発言に「マジで?」みたいな感じに目を開いて子ルドを見たのがなんとなくツボでした。(あと二幕戴冠式で馬車の装置がなくなったのにムチ持ってる場面、いちおう御者の感じで座ってるのかもしれないんだけど手にしてるムチの先が垂れてたから「釣り堀で釣りしてる人」に見えてしまったのは内緒です)

ルキーニ役は成河くん。3年前よりもさらに緩急のある芝居でとても良かった!前はもうちょっと狂気が色濃かった気がするけど、少し力みが抜けたのかな。役がすごく身体に馴染んだ演技になってた気がしました。次にどんな球を投げてくるのかわからない演技なので目を離せなくて飽きなかったです。歌もダミ声でがなるところときれいに歌うところのメリハリがあってほんと歌うまいし硬軟自在だなあ〜としみじみ感心してしまいました。エリザベート初出演のときはまだミュージカルのイメージが無かったのでびっくりしましたが、こんなに素晴らしいルキーニを見せてもらえるとは。東宝ルキーニは長年高嶋政宏さんがシングルキャストでやってたせいか、なかなかあの高嶋ルキーニのイメージが拭えなかったのですが、これでようやく上書きされた感があります。

さて宝塚版を見て愛希れいかちゃんのファンになった長女が観たい観たいと熱望してたので、今回初めて帝劇につれていきました。(S席2枚はお財布につらい!大打撃!)まあ宝塚版みてるから別に……と思って油断していたら、冒頭でいきなりルキーニが「ケツでも掘ってやろうか裁判官どの!」というので「そうだった!」と冷や汗をかきましたよね。ゾフィさんが初夜のあとベッドのシーツを確認するあたりはまあさらっと気にせず流せるだろうとは思ってましたが、マダム・ヴォルフの娼婦たちがM字開脚したり腰くねらせたりしてるシーンはさすがにちょっと9歳には刺激が強すぎるか、と思いました。観劇後しばらくしてから「ゾフィが宅配を取る場面でさあ……」と長女がいうので「はっ、性病についての説明を求められるのか……?」とドキドキしたら、「なんかこのへん(股のところ)で鍵ガチャガチャしてたね……」とちょっと恥ずかしそうに、でもニヤニヤしながらいうので、貞操帯……そうだマデレーネ貞操帯つけてたわ……と思いました。さすがに貞操帯について説明するとなると他にもいろいろ解説が必要な気がしてしまうので、「パンツに鍵かかってたね!(にっこり)」のひとことで終わらせましたが。なお長女はおみやげに「帝国劇場・日生劇場東京宝塚劇場・シアタークリエ」の絵が書いてあるチョコクランチの缶が欲しいと言っており「ええ……パンフよりそれなんだ……」と思いつつ買ってしまいました。子供の欲しい物、謎。

 今回も終演後すぐには情報処理しきれずぼんやりとした顔をしておりましたが、まあ楽しんだことには間違いないようです。女中さんたちのダンスの振り付けが宝塚と違う、とか、背景の映像が違ってすごかった、とか、主演俳優ばかりでなくけっこうあちこち観ていて違いに気づいてるようですね。アレクサにしつこく何度も「闇がひろがるをかけて!」と頼んでなぜか最初に出てくる「岡幸二郎&山崎育三郎」バージョンの闇広を聴いては、一緒に歌い上げながら夏休みの宿題をやっています。蛙の子は蛙、オタクの子はオタク……。