「エクストリーム・ジョブ」

まったくのノーマークでしたが、Twitterであちこちから評判が聞こえてきたので見てきました。「崖っぷちの刑事チームが張り込み操作のために偽装したフライドチキン店が予想外に繁盛してしまってさあ大変」という設定だけでもう既に十分面白すぎるだろう、と思っていたのですが。刑事チームのキャラがたってるわ、アクションはガチだわで、大変面白い犯罪捜査アクションコメディでした。韓国ではあの「パラサイト　半地下の家族」よりもヒットしてるというから驚き。確かに面白いけれども！

上記のとおり設定はトリッキーではあるけど、話の展開は割と王道コメディ展開ですね。崖っぷちに立たされたポンコツチームが起死回生のために奮闘、思わぬ方向に話が転がりつつも、メンバーの思わぬ強みを生かしながら最終的に勧善懲悪……と、気持ちいいくらいベッタベタな王道展開です。王道とはいえここまでヒットしたのは、やっぱりキャラの勝利なんでしょうかね。後輩にも出世レースに追い越され、うだつのあがらない雰囲気の班長。紅一点で気の強い女性刑事、思わぬ料理の才能を発揮してしまい店を大当たりさせてしまう刑事、トラブルメーカーの末っ子キャラ刑事、チームメンバーが店員として職務を忘れていく中ひとり寡黙に張り込みにいそしむ刑事。チームの会話も息があってて最高のコメディでした。さらに敵ラスボスのボディガードにつく冷酷な女性のアクションがかっこよくてですね、キングスマンのガゼルを思い出しましたね。

悪党が彼らの店を麻薬の流通に利用しようとフランチャイズ展開をはじめ、店員の態度の悪さに一気に悪評が広まって……という展開にチーム一同が立ち上がるところ、もはや「店を守るためにFC店の店員を監視する」なのか「麻薬取引を取り締まるための捜査」なのか目的がよくわからなくなってて、なんかめちゃくちゃ面白かったです。ノリの良い劇伴もカッコよくて、クライマックスのアクションは見ごたえがありましたねえ。バカ映画かと思いきや見せるところは見せるぜ！という気概を感じました。Twitterによると新感線のいのうえひでのりさんがこの作品を絶賛してましたが、ああ、いかにも好きそう！という感じでした。好評にたがわぬ面白さでした！　パラサイトで胸焼け起こした後はこちらを見てすっきりするのもいいかと思います。