宝塚歌劇雪組「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」@東京宝塚劇場

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出典:宝塚歌劇公式サイト

 

この舞台については東京公演がコロナ禍の真っ只中で公演中止の影響を大きく受けてしまったため、とにかく「生で!観られて!良かった!」「千秋楽の!幕が上がって!本当に良かった!」みたいな気持ちしかわかないのですが。そうは言っても、公演中止前の割と冷静な気持ちで観られた時の気持ちを思い出して、なるべく客観的な感想を書き残しておこうと思います。

原作はギャング映画で、セルジオ・レオーネ監督の1984年作品。原作は観てないのですが、どうやら見る人によって解釈のわかれる作品だったようで(やや難解めというか)、しかも主人公がヒロインをレイプするシーンもあるなど「これを宝塚でどうやって……」という声もよく聞いておりましたが、宝塚版は比較的わかりやすい展開になっていたと思います。主人公が何一つ自分の夢や理想を成し遂げられないまま終わるとか、ヒロインからも盛大に振られるとか、幼馴染の仲間たちも全員志半ばで死んでいくとか、ストーリー展開だけみると「宝塚らしくない」「夢々しさのない」かなり苦めの物語ではあるのですが、それでも主人公・望海風斗の男役芸&スーツ芸でねじ伏せ「宝塚歌劇」として成立させていたのはさすがだと思います。

ギャングといっても「犯罪組織を束ねて、自分の手はあまり汚さず、部下たちに悪事をさせる」みたいなゴッドファーザー的なイメージとは違って、この作品の中心となるギャング4人組「アポカリプスの四騎士」はバリバリの実働部隊です。自ら宝石商を襲い、仕事を回してきた別のギャングを殺し、はてはたった四人で連邦準備銀行を襲撃しようと試みたり。このへん原作でどういうふうに描かれているのかちょっとわからないのですが、正直な感想を言えば仕事がずいぶん荒っぽくて雑です。とても「界隈で名の通ったギャングの若頭」みたいには見えず、鉄砲玉レベルのギャングが調子に乗って意気がってるようにしか見えないのが、正直ちょっとどうなのかなあと思いました。せっかく悪事で稼いできた金も「不動産投資ですっちまった」と瞬時に溶かしてしまうあたりも、おそらくマックスの思慮の浅さのせいではなく時代的に世界恐慌のせいじゃないかと思うのですが、「不動産屋の口車に乗せられて有り金全部溶かしちゃった」的な愚かさに見えてしまうので……ちょうど同時期に同時代のユダヤ移民を描いたNTLiveの『リーマン・トリロジー(=リーマン・ブラザーズ創始者一族を描いた物語)を観たばかりなので、そちらと比べてしまうとあまり頭の良くないギャングたちに見えてしまって。「ローワーイーストサイドの出身だとかユダヤ人だとかを理由にしたらあかん!もっと田舎に住んでたユダヤ人が投資銀行屋として成り上がってるんだぞ??」とか思ってしまうんですよね(お願いリーマンのことは忘れて)

とはいえ原作ではヒロインへの想いが募るあまり主人公がレイプしてしまう、という展開を、まさかの「薔薇を敷き詰めた部屋でコトに及ぼうとしたところ、ヒロインに薔薇の花束で殴られて盛大に振られる」という展開に変えてしまうあたり、「小池先生は宝塚歌劇というものを、そして乙女心をよく理解していらっしゃる……!」と感銘をうけました。たとえ未遂ではあれレイプの意思が見えた時点でもうふたりの関係性は破綻してしまうわけで、女性観客を不愉快な気持ちにさせることなく、全体のストーリーも矛盾させることのないこの改変は良かったと思いました。しかもこの盛大に振られる主人公ヌードルスが、やけになって薔薇を撒き散らしながらソファに身を沈め天を仰ぐ場面のカッコいいことといったらね! ド派手に振られているのにめちゃめちゃカッコいい男役、という矛盾をねじ伏せる望海さんの男役芸にはぐっときました。これは記憶に残る名シーンだったと思います。そして「イケコの一幕ラスト」という定型句が生まれるくらいに「一幕ラストはとりあえず全員出して歌わせて盛り上げるワン・デイ・モア方式」がこれまでは小池先生の定番演出だったのですが、今回はトップ男役がただひとりで一幕ラストを締める、というのも「小池先生の新境地だな!」と思いました。

もうひとつ、小池先生といえば「ポーの一族」の明日海りおさんエドガーですら「ひとりで孤独を歌い上げる場面」になぜか「エドガーダンサーズ」みたいなエドガーと同じ姿格好のダンサーたちを背景に散らして激しく踊らせる、みたいな演出をする方で、正直「いらん!その謎ダンサーズいらん!明日海さんはひとりで十分空間を埋められるのに、なんでそんなうるさい演出を入れるんだ!」と思ってしまったくらい、なんというか「人海戦術で舞台の空間を埋めないと不安」みたいな強迫観念があるのではないかと感じていたのですが。今回の作品はとにかく望海さんがたったひとりで感情を歌い上げたったひとりで空間を埋める、という場面が多く、そこについても「小池先生の新境地!」と思いました。私も基本的には人海戦術で埋めてなんぼみたいな演出のほうが好きではあるのですが、「主人公の孤独」をテーマとする作品には合わないんですよね。そういう意味ではかなり小池先生は望海さんの芝居と歌を信頼してこの作品を仕上げたのだなと思ったりもしました。

あと、これはもう単純に、ただただスーツでカッコいい男役を見せてくれてありがとう、という気持ちはありますね。なにせ最近の雪組はいままでフランスと幕末を言ったり来たりしててスーツ物が少なかったので……(『20世紀号に乗って』はありましたがあれも結局円盤になってないので……)でもよく考えたら彩凪翔さん演じるジミーは青年期で正装する場面ありませんでしたね……ポスター詐欺ですがまあいいです、かっこいいからこれはこれでありがたくいただいておきます。

ただね、ポスター観てめちゃめちゃスタイリッシュな作品出てくるのかな、と思いきや、オープニングナンバーの歌詞が「シティライトとサーチライトとヘッドライトのミッドナイトジャングル」を走り抜けてたり、「『ギャングスター』人は呼ぶ」だったりするから、ああ、もう、100%イケコ節だな!と思いました。20年前に初めてエリザ観た時ですら「青い血を流す傷口…禁じられた愛のタブー…」って歌詞の昭和感に客席で腹筋鍛えてたのに、令和の時代になってもまだまだ歌詞が昭和の歌謡曲だよ……と苦笑いしてしまいました。小池先生、そろそろ歌詞だけは外注したほうがいいのでは……と正直思いました(いやまあそこが宝塚らしくていいといえばいいのだけれども)。アポカリプスの四騎士の歌詞と演出も「イケコ節1000%!」な演出で、本当はカッコよく見せたいんでしょうけどちょっと面白くなってニヤニヤしてしまうんですよね……

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さて生徒さんについてひとりひとり感想を少しずつメモしておきます。
まず主人公ヌードルス・望海風斗さん。いやーほんとこの「不遇の環境に生まれ、前科もあり、悪事に手を染め小金は稼いだものの、大切な幼馴染たちを自分の行いをきっかけで喪ってしまい、片田舎の日陰でこっそり生きていかなければいけない(そして初恋の人にはこっぴどくフラれている)」というまるで希望のない主人公を、ここまでカッコよくダンディにねじ伏せたのすごいな!と思いました。宝塚のトップといえば「雑で隙だらけの脚本でも3ヶ月は公演しなければいけないからそれなりに見応えのある作品に無理やりねじ伏せる」のが腕の見せ所、トップさんのねじ伏せ力、と私は思っていたのですが(←怒られそう)。こうしてヒーローでもスターでもなんでもない、ひとりの男のただただほろ苦い人生を見応えのある舞台に仕上げるというのも、前述とは違う意味でまた「男役のねじ伏せ力」だなあ、としみじみ感じ入ったわけです。役者の演技力と男役としてのキャリアを演出家が信じていないと、この作品は選べなかっただろうな、と観ていてしみじみ思った次第でした。

デボラ役・真彩希帆ちゃん。『背中で語る娘役』!の境地にたどり着いた感がありますね。デボラも一時はブロードウェイの歌姫の地位までのぼりつめますけれど、映画界に進出した矢先にプロデューサーのサムにハシゴをはずされ転落し、その後はチャリティーしかやらずに「引退したようなもの」な人生をひっそり送ることになる……という悲哀に満ちたお役。いやー考えてみたらこのヒロインもまた「宝塚のトップ娘役」がやる役としては苦すぎる。まあもちろんこれまでだってただただ耐え忍ぶだけのヒロインとか悲劇に落ちるヒロインみたいなのは多々あるんですけれど、それはあくまで「男役のカッコよさを引き立てるため」「主人公の悲劇を引き立てるため」という大義名分があるわけで。今回の作品で二幕のデボラがハリウッドで失脚していくあたりのエピソードはほぼ主人公ヌードルスの人生には影響してないんですが、そこでの芝居のしどころを用意してくれてるあたり、小池先生の愛を感じましたね。これもまたきいちゃんの芝居を信用してないとこの場面はつくらなかっただろうなとちょっと思ったりもしました。

マックス役・彩風咲奈さん。これまでほとんど「望海さんに振り回されながらも支える役」だったのに、今回は見事反転!これはこれで新鮮ですね。「凱旋門」のアンリもだいぶDVな匂いのするあぶなっかしいお役でしたが、今回もまた「うるさい!」って女を殴ってそのままキスして黙らせるDV男でしたね……。まあ宝塚におけるDV男というのは単に眺めてるだけで済むので「これはこれで美味しくいただきます」案件なわけですが、キャロルの友達だったらもう絶対「あんな男やめときなよ……別れな……?」ってなるやつですね。そしてそのお相手役のキャロル・朝美絢さんがもうほんと情に厚いというか、愛の重そうなキャラで……なんでしょうね、いままでもサンジュストとか斎藤一とかファルコとか、望海さんに対して激重感情持ってる感じのキャラでしたけど、相手役が変わろうが性別が変わろうが、とにかく感情が重いのがあーさの持ち味なんだなというのがよく分かる役作りでした。「あなたと一緒に地獄行きはごめんよ」と言うセリフはあるものの、マックスのためならなんでもやりそうな雰囲気ですもんね……。やーでもインフェルノの歌姫として歌う場面も多くてよかったですね、とくにあの大階段の巨大衣装で歌い上げるデボラの後にすぐ出てきて、対照的なキャラを演じなければいけない場面で、「娘役」としてガツンと歌えるの、すごく良かったと思います。度胸! ここへ来て男役じゃなくて女装か〜なんて最初配役出たときは思いましたけど、男役娘役関係なくキャロルがあーさで良かったと思いますね。良かった!

そんでもってジミー役の彩凪翔さんね……おっかないね……。マックスとジミーの関係性をがっつりみせてくれるあたり、小池先生も彩彩ファンの気持をよくわかってるなーと思いました。原作ではあまり比重の大きい役ではないそうですが、最終的にこの物語の黒幕的存在というか、一番頭がキレて非情で冷酷なのはギャングの4人よりもこの人だったなあ、一枚上手だったなあ、というところに説得力がある芝居だったのが良かったと思います。いやー怖い。そして上手い。アポカリプスの残りふたり、コックアイの真那春人さんとパッツィーの縣千くんはちょっと箸休め的にほっとできるポジションのお役でしたね。見た目めちゃめちゃカッコいいのも嬉しいけど、あぶなっかしいおっかない人たちばかりの中でちょっと観ていて安心感ありました。ダイナマイト抱えて「ウズウズするぜぇ〜」ってなってるあがちん、もうほんと……鉄砲玉感あってすごいかわいい……。でもギャングとしてはダメなやつ……役作りしてないんじゃないのそのままなんじゃないの感……(好き)。ファットモー役の奏乃はるとさんも安心感ある芝居で良かったです!好き!

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ここからは公演の内容を少し離れ、コロナの影響についてと、前楽観劇〜千秋楽生放送についての個人的な覚書となります。

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コロナのせいで東京公演は結局半分以上(!)の公演が中止になってしまいました(上の公演カレンダーでグレー部分が中止になった公演)。私は運良く公演期間最初の連休と前楽のチケットを抑えていたおかげで2回も劇場で観ることができたわけですが、劇場で観られなかった方も多かったはずで、本当に胸が痛いです。私も貸切公演のチケット欲しさにパスタを大量に買って結局チケットは当たらなかった、みたいなのもあったんですけれど、これ当たった人も結局チケットは無効になってしまってますもんね(でもこの外出自粛の折、大量のパスタの備蓄は助かりました。レガーロさんチケット外れたけどありがとうですよ……)。いやしかしほんと、今の雪組人気の中でチケットを一枚とるのがどれだけ大変だったかという話ですよ……つらい……。

長い公演中止期間の後の再開だった前楽の公演を観ることができたのですが、客席の拍手のボリュームが「千秋楽公演かな?」と思うようなすごい音量で、それはもう客席の熱量と集中力がすごかったです。観る方も「もしかしたら観られないかもしれない」と思いながら毎日不安を抱えて過ごしていましたし、「千秋楽のLVは中止、ただし公演の実施の有無に関わらず千秋楽公演はスカステで生中継」というのも千秋楽数日前の時点で発表されていたので、もうほんと気が気じゃなかったです。こんな大きな決断をするからには中止の可能性のほうが高いのではないか……とやきもきしながら公演2日前あたりから何度も何度も公式ニュースをリロードしておりました。千秋楽の前日午前にようやく公演実施が発表されたものの、喜びよりは「絶対にコロナウィルスを劇場に持ち込んではいけない」みたいな気持ちで気を引き締めるほうが大きかったですね。あんな厳粛な緊張感で観劇に挑む日が来るとは思いませんでした。

前楽の公演、劇場に入るとまず劇場係員さんがアルコールスプレーを手にかけてくれました。総合病院の入り口みたいな対応ですね。キャトルレーヴの営業休止は知ってましたが、ロビーから見えるキャトルも明かりも消えていてさみしくなりました。二階ロビーのカフェも閉店していていつもより不便な状況ではありますが、まあ、仕方ないですね。ロビーにならぶ売店では少しグッズが多めに並んでいたかな、と思いました。客席に入るといつもよりオケがにぎやかだったように思いました。ドラムさんがずっとリズムを刻んでいてくれてちょっとワクワクしてきましたね。あまり客席でおしゃべりできない分、静かになりすぎないよう演奏でにぎやかにしてくれていたのでしょうか、ありがたいことです。前もって公式サイトに諸々の注意事項がでていたので「ロビー客席での飲食禁止」なのはわかっていましたが、マチネ組はちょうどランチタイムにぶつかる公演時間なのでお腹がすきますね。終わったら千秋楽公演のスカステ視聴のため速攻で電車に乗る必要があったので、ご飯食べる時間がない、と割と切実にお腹すきました。まあそのくらいの不便はこの状況なのでもちろん受け入れますけれどもね。

前楽の公演はいい意味で「前に見た時と変わらない」内容でした。10日間休み2日間公演してまた10日間休み、という状況ではありましたが、間が空いた後でもこんなにも調子を狂わさず同じクオリティのものが出せるんだな、役者さんというのはすごいな、とそんなことを思いました。正直なところ、「いつもよりずっと芝居に熱がこもってた」「前に見た時と全然違った!」みたいな状況も少し期待してたのですが、それがはっきりと出る場面はなかったように思います。あれだけの客席の拍手と集中力を受け止めて芝居してるわけですから、もちろん生徒さんの心の内ではいろんな思いがあったでしょうけれど、やはり芝居のクオリティは一定に保っているのだな、これはこれですごいことだなと思いました。とはいえ、カーテンコールでは、ちょっと涙を浮かべている方もいらっしゃった気がしますし、組長奏乃さんのご挨拶も、望海さんのご挨拶も、やはりこの状況に対する様々な想いがにじみ出てくるご挨拶だったと思います(普段は前楽だと特にご挨拶ないはずなのですが、やはり休演開けということで短いご挨拶がありましたね)

終演後は規制退場ということで1階席も2階席も5列ごとに退場してそれ以外の人は客席待機という措置をとっていました。多少待つことにはなりましたが、階段で詰まることなくスムーズに外に出られたのは良かったと思います。もともと東京宝塚劇場はそこまで水はけ悪い劇場ではないのですが、それでも今はあんまりぎゅうぎゅうの状態で歩くのもいやですものね。

劇場を出たらダッシュで電車に乗って帰宅!ソワレの生放送が始まる2分前、ギリギリで家に帰ることができました。この千秋楽公演の生放送を観ながらTwitterで実況するのもまた楽しい思い出でした。薔薇部屋ではヌードルス君のやらかしっぷりに「あーあーあー」「あかーん」「ドンマイ……」となり、デボラのハリウッドデビュー後の場面でのニックの優しさに「なんでニックにしなかった……」「ニックのほうがいいのに……」と口々に言い合いながら観るの、ほんと楽しかったです。ハッシュタグの「#雪組千秋楽応援上映」もトレンド入りしていましたね(ずっと確認してたわけではないですが、カーテンコールのあたりで日本のトレンド11位あたりまで食い込んだのは確認しました)。千秋楽恒例、望海さんの「謎の儀式」タイムでは「どっせーーーーい!」の文字列がタイムライン上を滝のように流れていきました。今までも千秋楽公演のファーストランのときなんかはTwitter実況が盛り上がることはありましたけど、今回は生放送ということもあって特に盛り上がりましたね。とっても楽しかったです!

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トレンド入り記念スクリーンショット

 

あと退団者ご挨拶の後、フォーエバタカラヅカの歌の途中で望海さんが完全に泣くのをこらえる表情をしていたのが印象的でした。この状況での「フォーエバタカラヅカ」の歌詞、ほんとぐっときますもんね……ご挨拶の内容聞いてての推測ですが、ほんと「退団者を無事に送り出したい!」みたいな気持ちが本当に強かったんじゃないかと思うんですよね……お客さんの前で、ちゃんと拍手をもらいながら千秋楽を迎えられたことで感無量だったんじゃないかと思うのです。自分だけ泣いちゃってることに気づいて退団者に「どうぞお泣きになって!」と言ってるのとか(そしてヒメさんに「もうひっこんだわ!」ってつっこまれているのも)、「いやーもうこの(客席の)光景が本当に幸せで……ずっとこうして見ていたい……」ってなって組長さんに早く締めるように睨まれてるのか、すごい面白かったです。

あと完璧なカメラ目線で「お茶の間の貴方!」と話しかけてくるのもファンの気持をよくわかっているなーと思いました。いつものライビュだと「カメラどこにあるのかわかんないけどだいたいあのへんかな……」くらいのふわっとした感じでお手振りしてたんですけど、今回は事前にカメラ位置を完璧に頭に入れてたんだなあ、と思いましたよ……

なんだかとりとめなくグダグダと思い出を書いてしまいましたが、本当にいろんな意味で記憶に残る千秋楽公演だったと思います。この後しばらくして7都府県に緊急事態宣言も出て、宝塚は6月末までの公演をすべて中止することが決まりました。そして異例の退団日程の延期も。月組の珠城・美園コンビ、雪組の望海・真彩コンビとも退団延期が決まったので、中止になってしまった公演も大幅にリスケして再調整することになるのだと思います。神戸や東日本の震災の時でもこんな対応はなかったので、かなり異例の措置ではないかと。後から思えばこの3月の公演がほとんど中止になる中、星組の大劇場千秋楽と雪組の東京千秋楽だけを死守した劇団の判断、すごく生徒とファン思いだったなと思いました。ひとまず手元のチケットはほとんどが無効となってしまいましたが、「幕が上がらなかった公演もまだ今後観ることができるかもしれない」という可能性が残ったのと、退団者の退団日のリミットがひとまずなくなったことで、ファンは一安心というところです。雪組の千秋楽生放送もそうですが、星組花組の去年のさよなら公演を前倒し放送したり、スカステ無料放送日を儲けたり、キャトルレーヴオンラインでの送料無料措置をとったりなど、劇団側も色々とサービスしてくれてる感がありますので、払い戻したチケット代をそっくり劇団につぎ込むべく、今は粛々と再開の日を待ちたいと思います。  #愛しているよ宝塚歌劇団