「SHERLOCK 忌まわしき花嫁」

さあ待ってましたSHERLOCKの新作! 劇場版といってもまあドラマのTVスペシャル版を、日本では劇場で先行公開というような状況ですね。日本の「ドラマがヒットしたから劇場版を」という状況の場合、TVドラマシリーズを観てなくてもある程度ついていけるように映画でも設定の説明なりわかりやすくする工夫なりあったりするものですが。この「SHERLOCK」のSP版にはそんな親切さはこれっぽっちもありません。「お前らTVシリーズ3作は当然全部観てるんだよな?」「なんなら原作の方も読んでおいたほうが楽しめるぜ?」くらいのノリでアクセル全開でかっ飛ばしています。良くも悪くもTVシリーズのファンであることが前提の不親切仕様。「なんか面白いらしいよ?」くらいのぬるい気持ちで見に行くと火傷する……というか、まったく展開についていけずに置いてけぼりくらうこと間違いないですね。
ヴィクトリア朝が舞台ということで「X’masスペシャルでパラレルものかー」「公式からのファンサービス企画かしらね……」くらいの甘い気持ちで見に行ったんですが、実はシーズン3エピソード3から状況としてはがっつりつながっています。仕掛けがわかると「ああ、そういうこと!」「まんまと騙された!」ってなりますね。まあSHERLOCKTVシリーズでも何度もいままで制作陣には騙されてきているわけですが「今回はこの方向で騙されたのか!」となりました。まあ騙されたというのは言葉が悪いですかね、意表を突かれたと言い換えてもいいですけれど。

おそらくNHKでの放送もあるでしょうし、まだネタバレしないように詳細には触れないでおきますが。「シャーロックホームズオタクの制作陣が全力で二次創作をやってのけた」的な感想をTwitterでちらほら見かけましたが、まさにそんな感じでしたね。TVシリーズではライヘンバッハの滝は屋上からの転落になってましたけど、今回はリアル滝がでてきて「ふわーーー!」ってなりましたもんね。

まあネタバレできないので奥歯にものが挟まったような感想ですけど、「TVシリーズファン、あるいはホームズ原作ファン以外には面白くない作品」「TVシリーズまたは原作ファンならたぶん楽しめる作品」てそんな感じでしょうか。