歌舞伎座十二月大歌舞伎

長女が去年あたりから超歌舞伎に興味を持っていたので幕見で連れて行こうかな…と思っていたのですが、ちょうど学校で配布された横浜市の小中学生向け割引チケットのご案内があり、一等席が大人8000円子ども6000円で買えるとのことでありがたく利用させていただきました。

「旅噂岡崎猫」

客席降りのサービスあり、怪談的なケレン味たっぷりの演出あり、という演目で飽きずに観られました。巳之助くんの化け猫もやゑ亮さんの体感芸も見応えありました。なるほど初心者でもわかりやすい演目で楽しいですね。カラーは違うけど演出は四の切みたいだなと思ってみていたら後で猿翁さん演出と知って納得。

 

「今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」

超歌舞伎歌舞伎座進出!ということでなんだかようやくここまで上り詰めましたね…という感慨がありますね。演目としては去年の「永遠花誉功」のほうが使用曲の歌詞の世界観が演目に取り入れられていてストーリーの見応えはあったかなと思うのですが、まあやはり曲として耳馴染みがあるのは千本桜のほうになるんでしょうか。

個人的にはこの演目はイヤホンガイド&ペンライトがっつり用意して参加するのが一番楽しいと思ってます。筋立ての解説としてはイヤホンガイドなくても十分なのですが、大向うタイミングをちゃんと指定してくれるのが楽しいんですよねこれ…。いただきものの大向う機能付きペンライトで参加したのですが実に楽しかったです。獅童さんvs國矢さんの対決シーンは赤ペンライトと青ペンライトの2本持ちで応援させていただきました(RRR脳だから「炎と氷河の抱擁…」みたいな気持ちにもなりつつ…)

ふだんは素人が大向うかけるなんてとんでもない、みたいなところあるんですけど、超歌舞伎では気軽に「萬屋!」言えるのがいいですね。この日は公演期間終盤の土日公演ということもあってか客席のペンライト率が高い!客席が「数多の人の言の葉を、桜の色の灯火を」のセリフで一斉にピンク色のペンライトが客席を埋め尽くすの、劇場版プリキュアの応援みたいと思いつつもやはり一体感があって楽しいです。客層も観劇のノリもいつもの歌舞伎座とまったく違うので、これはこれで楽しい体験だなあと思いました。

作品そのものが刺さってるわけではないのですが、この演目が開拓した客層と新たな歌舞伎の楽しみ方はとても価値があるものだなと思っています。 

「爪王」

引用元:巳之助の化け猫、獅童の超歌舞伎、勘九郎と七之助の爪王に、松緑の赤穂義士外伝~歌舞伎座『十二月大歌舞伎』第一部・第二部観劇レポート | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス


さてせっかくここまで来たのでTwitterで評判の良い「爪王」も幕見で。(劇場から遠いので幕見指定席制度ありがたい…!)なるほど歌舞伎版ポケモンバトル…素晴らしかった…期待値上がりまくってたけど超えてきましたね!

歌舞伎座で爪王みた方がTwitterでうわごとのように爪王のことしか呟かなくなるのを理解しました。とても良かったです…。こんなん幕見じゃなくて一等席で観たかった…の気持ちになりました。人外の七之助さんの美しさよ…可愛らしい仕草も見せつつ、戦うときのキリリとした目つきの美しさ…。そして狐勘九郎さんの動きのキレの良さも半端なかったですね、最後のすっぽんせり下がり近くで観たかったなあぁ。

短い舞踊演目ながらふたりのバトルに漂う緊張感は目が離せなくて見応えの塊でした。次の上演の時は一等席で観る…!

 

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