「エクストリーム・ジョブ」

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まったくのノーマークでしたが、Twitterであちこちから評判が聞こえてきたので見てきました。「崖っぷちの刑事チームが張り込み操作のために偽装したフライドチキン店が予想外に繁盛してしまってさあ大変」という設定だけでもう既に十分面白すぎるだろう、と思っていたのですが。刑事チームのキャラがたってるわ、アクションはガチだわで、大変面白い犯罪捜査アクションコメディでした。韓国ではあの「パラサイト 半地下の家族」よりもヒットしてるというから驚き。確かに面白いけれども!

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「ダウントン・アビー」(映画)

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シーズン6まで放送された英国の人気ドラマシリーズの劇場版。TVシリーズのドラマを完走したファンにとってはまさに「ご褒美のような映画だな!」と思いました。「国王夫妻がお屋敷にやってくる」という晴れがましい大イベントで劇場版らしいスケールもありつつ、TV版ですっかり愛着の湧いた登場人物については愛を持って描いていて、本当に観た後に多幸感に包まれるような劇場版でした。美術衣装もTVシリーズ同様美しく、大画面で観ても丁寧に作られた作品なのだなあというのが伝わる内容でした。

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宝塚歌劇花組「DANCE OLYMPIA」@東京国際フォーラム

f:id:lgmlgm:20200106173518j:plain出典:えんぶの情報サイト 演劇キック

 

花組新トップスター・柚香光さんプレお披露目公演!おめでとうございます!
一幕目はストーリー仕立てで「古代ギリシャの戦士・アキレウスが現代にタイムスリップ、ダンスチームの男たちにダンスの才能を見いだされてダンサーとしてデビューしヒロインと出会うがやがて古代に戻る」というトンデモ展開。まあストーリー仕立てといってもとってつけた感のある話でまあ通し役のショーくらいの感じの内容ですね。ギリシャの戦士の重厚なダンスから現代のダンサーたちの軽快なストリートダンス、ダンスホール(?)での正装のオーディション、ヒロインとのデュエットダンス……といった感じでほぼダンスだけで展開、新トップお披露目だというのにトップさんが心の声のナレーションだけでセリフもほとんどしゃべらず歌も歌わない、という展開で「まさかこのままれいちゃんに歌わせない気……?斬新……!」と思いましたね。

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宝塚歌劇宙組「エル ハポンーイスパニアのサムライー/アクアヴィーテ!〜生命の水〜」

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出典:宝塚歌劇公式ホームページ GALLERY

 

「El Japon(エル ハポン)ーイスパニアのサムライー」は17世紀に仙台藩イスパニア(=スペイン)に派遣した慶長遣欧使節団の物語。和モノの和服とスペインの洋装が入り交じる和洋折衷の不思議なテイストの物語ですね。日本人奴隷の女性たちが各地の方言でセリフ言ったりもするんだけど、彼ら何語でしゃべってるんだろう……。慶長遣欧使節団の国王との交渉が膠着する間、メンバーの蒲田治道(真風涼帆)は宿屋の未亡人・カタリナ(星風まどか)と知り合い、彼女が大地主から嫌がらせを受けていることを知り、それを助ける……という勧善懲悪ヒーロー物。治道は治道で過去に好きな女性を助けられなかった過去を持ち、カタリナも夫を亡くしていて……とお互いにつらい過去を持つ男女、しかも片方が恋愛とかチャラいことには興味なさそうな武士で、これどうやってふたりにロマンスが生まれるんだろう???と思っていたのですが。しかも中盤までは割とシリアスな展開だったのに、終盤10分くらいで急にコメディなノリで急展開するから、なんかもうびっくりして幕が降りた瞬間つい笑いだしてしまいましたよね。いやー驚いた。「カタリナの夫は死亡届でてないから死んでない、治道はそこにおさまっちゃえ」みたいなトリッキーな展開にちょっと目が点になってしまいましたよ。最後こんな展開になるならもうちょっと途中までもギャグとか笑いの要素はさんで?? そうでないと突然のコメディに心の準備がなくてびっくりしちゃうよ!!

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「キレイ-神様と待ち合わせした女-」

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出典:ぴあ

 

4度目の上演となる松尾スズキ作・演出のミュージカル作品。いやー初演が2000年、ってもうほぼ20年前の作品なんですね(ぶるぶる)。キャストが変わるたびになんだかんだ毎回見ていますが、見るたびに情報量の多さに圧倒されて「どういう物語だったのか」がすっきりと整理できないまま軽く混乱した状態で家に帰ることが多かったように思います。ただ回を重ねてようやくなんとなくその混沌こそが物語の主軸なんだ、と受け止められるようになってきました。「ケガレ」と「ミソギ」、「子沢山が好きで戦争は嫌い」と「戦争のおかげで子供を養える」、「上流社会で美貌を誇るカスミの鼻からは臭くて白いチーズっぽいのが出る」、「その婚約者は殺せば殺すほど評価される仕事だが本当は花屋になりたい」、「クジラを保護した同じ手で便所の壁に嫌いな電話番号を書く」、「食べられて死ぬのが夢なのに、ないはずの生殖器があるダイズ丸」などなど、相反する事象がそれぞれの登場人物たちにぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、「人間とは多面体である」ことをトゥーマッチな混沌の中で描いた物語なのだな……と、やっと自分の中でこの作品の輪郭をとらえることができた気がします。

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宝塚星組「ロックオペラ モーツァルト」

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出典:演劇キック

 

星組新トップコンビ、礼真琴さん&舞空瞳ちゃんのプレお披露目公演!おめでとうございます!
日本では以前、山本耕史中川晃教のWキャストで上演されたフレンチミュージカルですが、宝塚では初演ですね。楽曲がいいのはサントラで既に知っていたので楽しみにしていたのですが、チケット争奪戦はかなりの激戦。お友だちの協力で3階席をかろうじて一枚手に入れましたが、いやー苦戦しました。演出や脚色についてはいろいろ言いたいこともありつつも、新トップコンビの魅力が十二分に発揮され、大変満足度の高い公演となりました!

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宝塚月組「I AM FROM AUSTRIA ー故郷は甘き調べー」

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出典:ギャラリー | 宝塚歌劇公式ホームページ


月組はウィーンのジュークボックス・ミュージカルを日本初演。2階16列席のはじっこ、つまり劇場の中でも最も舞台から遠い天井桟敷席で見ましたが、今回の舞台美術のうち映像部分がほぼ見えない席位置だったので、一階席から見る感想とまただいぶ違うだろうなーというのは最初にお断りしておきます。たぶんこれ無意識の部分で印象に大きく関わってくるだろう部分かと思うので。

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