「ビリー・エリオット」@赤坂ACTシアター

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出典:ステージナタリー

ミュージカル版ビリーエリオット、ウエストエンド版は映像で見ていますが(感想はこちら)、日本版は初演を見逃しているので今回が初見です。既に何度も見たような気がしてましたけど、考えてみればこの作品を生で観るのは今回が初めてですね。ウエストエンド版の衣装や装置もそのまま、ほぼほぼ同じ演出なので見応えありました。終焉を迎えようとする炭坑街の人々の様子と、バレエダンサーを夢見る少年の対比を描き出す演出が本当に素晴らしくて、ほろ苦さはありつつも夢のある名作だと思います。何度見てもぼろぼろ泣いちゃう。

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TENET

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出典:SCREEN ONLINE

だいぶ前に観たまま感想を書きそびれていたので簡単に雑感だけメモを……


クリストファー・ノーラン監督の新作ということで、公開前の試写を見た方々が口々に「難解だ」「一回みただけではわからない」「もう一回観る」「初見殺し」という感想を呟いていて、実際みたらたしかにそのとおりだったんですけど、「完全には理解しきれてないと思うけど、それでも面白かった!」というのが第一印象でした。CGじゃなくリアルに飛行機を建物につっこませるとか「頭おかしいな!」という映像の数々も面白かったんですけど、例の回転扉を通り抜けることによって「時間を逆行する」というのが視覚的に納得できたとたんにぶわっと物語にのめりこめる感じがしましたね。
そして主人公の「名もなき男」(ジョン・デヴィッド・ワシントン)と相棒ニール(ロバート・パティンソン)の関係性が最後に明らかになる瞬間のエモさよ……!と思いましたよ。あの瞬間にものすごい勢いで多くの同人作家の脳内に二次創作のネタが湧いたんじゃないかと思いました。あそこまで見た上でもう一回最初からふたりの会話を追いたいと思いましたものね……。
我らがエリザベス・デビッキ様演じるキャットは夫・セイター(ケネス・ブラナー)からDVを受けてて……というあのくだり、ちょっときつかったですね。ケネス・ブラナーの芝居がうますぎて、経験したことのないDV被害者の気持ちになってしまいましたよ。怖い。ほんと怖い。あれは見に覚えがある方は見ないほうがいい映画だ……と思いました、ほんと経験したこともないのにフラッシュバックしそうになってしまったくらいだから、経験者はトラウマになりそうな気がしましたよ。

さすがに1回では完全には把握しそこねたのでいずれWOWOW放映が来たらもう一度復習してみたいと思います。たぶんこれ1回目より2回目のほうが楽しい映画ですね。

宝塚歌劇団雪組「NOW ZOOM ME!!」@東京宝塚劇場

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出典:TCAピクチャーズ

雪組トップスター望海風斗さんのプレ退団公演となるコンサート。いやもうこれについては「無事開催されて!良かった!!!」というのが心の底からの第一声です。
当初は文京シビックホール神戸国際会館こくさいホールでの上演が予定されていましたが、コロナ禍により公演中止に。幻の公演になってしまうかと気を揉んでいましたが、なんと宝塚大劇場東京宝塚劇場というバリバリの二大本拠地での開催が決まりました。いやーこれほんと劇団さんありがとうの決定でしたね。今まで武道館や横浜アリーナで退団前ライブやったトップさんはいましたが、通常コンサートをやらない自前の劇場でそれぞれ1週間公演を打つというのもなかなか異例の出来事です。おかげで最後列観劇とはいえ座席コンディションに悩まされることなく、銀橋パフォーマンスまでしっかり観ることができて本当に感謝感謝です。

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宝塚歌劇宙組「FLYING SAPA」@日生劇場

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出典:日本経済新聞

上田久美子先生久々の新作!というわけでめちゃくちゃ楽しみにしておりました。

「霧深きエルベのほとり」は演出のみだったので「BADDY」以来と考えると約2年半ぶり、ショーではなく芝居でと考えると「神々の土地」以来で実に3年ぶりとなります。いやぁ待ちわびてましたよ……長かった……!

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宝塚歌劇星組『眩耀の谷 ~舞い降りた新星~/Rayー星の光線ー』@東京宝塚劇場

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出典:宝塚歌劇団公式ホームページ

 

礼真琴さん&舞空瞳さんの新トップコンビお披露目公演!おめでとうございます!
「眩耀の谷」は紀元前の中国を舞台にした歴史モノ。最初は聞き慣れない人名地名国名などに戸惑うものの、すぐに「中央政権的な周国と、それに支配され迫害される少数民族の汶族」という構図が見えてくるので、お話としては比較的シンプル。周国の中堅武将として汶族が守る聖地・眩耀の谷を訪れた主人公の丹礼真(礼真琴)が、盲目の舞姫・瞳花(舞空瞳)と出会い、やがて自身も汶族の末裔であることを知って、彼らを守るために立ち上がる……といった物語。

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「大地」@PARCO劇場

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出典: Yahoo!ニュース

 

新生PARCO劇場行ってきました〜!

客席と舞台は以前の雰囲気に近い感じで「ただいま!」という感じでしたが、ロビーは天井が高くなったりちょっと明るい感じに雰囲気が変わっていたりしてピカピカの劇場に嬉しくなりました。ロビー椅子が少ない気がしましたが、ソーシャルディスタンス対策的なものですかね? 劇場入り口やトイレ出口には靴底の消毒マットもあったり、手指のアルコール消毒もあったり、チラシの手渡しはやめて自分でテーブルから持っていくスタイルになったり、物販もパンフレットだけに限定したりなど、コロナ対策はかなり徹底されている印象を受けました。客席は一席ずつ開ける配席。うう、採算取れないですよねこれ……と思いつつも、隣に人がいないことでだいぶ集中力は増しますし、感染の心配も薄れる安心感もありました。チケットもひとり一枚の販売なので客席のざわつきもなくかなり静かな客席でしたね。携帯を鳴らす人もいびきをかく人もなく、たいへん集中力のあるいいお客さんだったように思いました。ちょうどWOWOWオンデマンドの配信公演でカメラもたくさん入っていたせいか、WOWOWのスタッフさんが山ほど来ていて、そのせいか客席の緊張感もかなり高かったような。

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マシュー・ボーン IN CINEMA「ロミオとジュリエット」

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出典:『マシュー・ボーン IN CINEMA/ロミオとジュリエット』公式サイト

 

2019年のマシュー・ボーン振付家)の新作(映画監督のマシュー・ヴォーンとは別人です)プロコフィエフの名曲にのせてアレンジした新演出版、映像とはいえマシュー・ボーンの新作舞台が見られるなんてありがたいことです。来日公演では録音音源が使われてるけどやっぱり向こうでは生オケなんですねえ、いいなあ! 今年来日予定だった「赤い靴」が残念ながら中止になってしまいましたが、映像で新作が観られてとても嬉しかったです。

物語の設定は次の通り。『今からそう遠くない近未来、反抗的な若者たちを矯正する教育施設「ヴェローナ・インスティテュート」では、若者たちは男女別に分断、接触を禁じられ、厳しい監視下のもと自由を奪われて暮らしている。ジュリエットは、暴力的な看守のティボルトから目を付けられ、その脅威に怯えていた。ある日、有力政治家の両親から見放され施設に入れられたロミオは、施設で開催されたダンスパーティーでジュリエットと出会う。瞬く間に恋に落ちた2人は、看守の目を盗んで逢瀬を重ね、仲間たちに祝福されながら遂に愛を誓いあうのだった。しかし、幸せもつかの間、突如酒に酔ったティボルトが銃を振りかざして現れ、乱闘の挙句、仲間の1人マキューシオが命を落としてしまう。怒りに燃えるロミオとジュリエットたちは、ティボルトに立ち向かうも、さらなる悲劇が彼らを待ち受けていた…。』公式サイトより)

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