ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2D字幕)


マーベル作品とはいえアベンジャーズスパイダーマンのようにメジャーなキャラクターじゃないというのに、アメリカで今年の興収1位(現時点)になったというこの作品。予告編を見た時は正直「アライグマは可愛いけどよくあるスペースオペラかなー」と思った程度で特に面白そうとは思わなかったのですが。公開が近づくにつれ、Twitterで流れてくる前評判がたいへん高く、「どうやら私の好きそうな映画である」と思って観に行きました。

いやあ、面白かった。「最初はケンカしてたはみ出し者の5人が色々あって仲間になり、世界を滅ぼそうとする巨悪に立ち向かう」というベタといえばベタな話なんだけど、泣いて笑って胸が熱くなる、SFアクション・コメディのお手本のような作品でした。なんといってもキャラクターがそれぞれ魅力的。母親を病気で亡くしたその日に地球から連れ去られ宇宙盗賊に育てられた主人公のピーター・クイル、暗殺者として育てられた緑色の肌の女性・ガモーラ、家族を殺したロナンの命を狙う巨漢のドラックス、遺伝子改造によりアライグマの姿になった賞金稼ぎのロケット、木のヒューマノイドで「I am Groot」としか喋れないロケットの相棒グルート。最初は「えっこの5人どうやって仲間になるのよ」と思うくらいに闘ってるのに、5人がお互いを仲間と認識して目標をひとつにするまでが流れるように展開。もうそこかしこで泣くし、泣いたと思ったらしょーもないギャグも入るし。いやあ面白かった(2回目)。

主人公が大事にしてるのが70年代ヒット曲を編集したカセットとウォークマンなんだけど、この郷愁はアラフォー以上の世代でないとわかんないんだろうなあ。お気に入りの曲だけを集めたカセットが、どれだけ自分を勇気づけてくれるかってこと。地球を離れてからもずっとその古い曲だけを聴き続けてるという設定もなんだかちょっと切なくて(ほろり)。そして次々とかかる懐かしいヒット曲でどこかチープなB級SF感もあったり。ひたすらカッコイイ映画っていうんじゃなくて、ちょっと脱力するような安っぽさもあるんだけど、その隙がまたこの作品やキャラクターたちへの思い入れを強くするのかもなあと思ったりしました。

見る前は「これ見終わった後に『アライグマ可愛いよアライグマ』ってなるのかなー」とぼんやり思ってたんですけど、意外にも一番可愛いのはグルート(木のヒューマノイド)でしたね! マックスとのバディ感といい、セリフひとつしかないとこといい、キャラが良すぎる。そして凶暴に暴れておいてから振り返って「にぱっ」と笑う場面、もう肘掛けをバンバン叩きたくなるほどの可愛らしさでした。最後にああなっちゃってからああなるのは(←ネタバレになるので書けない)、アニメ「ディスクウォーズ・アベンジャーズ」の先週の回で出てきちゃったので、ある意味ネタバレでしたね……知らなかったらもっと泣いたのに……。

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さて映画そのものには文句は無いのですが、不満がひとつ。それは「吹き替え2D版の上映がない」ということです。せっかく高校生以下500円キャンペーンとかやって低年齢の客層を取り込もうとしてるなら、もう少し下まで見てくれよ、と思います。そう、まだひらがなも読めないうちの幼稚園児が見たがってるんですよ! 「ねーアライグマの映画見たいー」って。字幕では読めないし、吹き替えでは3Dだし。大人でも目が疲れる3D映画に小さい子どもを連れて行くのはためらわれるんですよ。いくら子供用の3D眼鏡あるって言っても、目のピント合わせるだけで疲れちゃうでしょうよ。まあ幼稚園児はさすがにターゲットじゃないんでしょうけどもね。4歳児だってパシフィック・リムくらいは見られるんですよ? ディスクウォーズアベンジャーズであんなりがっちりコラボやったりCMガンガン入れたりするんだったらちゃんと子どもにも見られるようにして下さい……ディズニーさんおねがいしますよ……!

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
http://studio.marvel-japan.com/blog/movie/category/gog

史上最も運が悪いトレジャー・ハンター、ピーター・クイル。
率いるのは、ヤバすぎる宇宙最凶チーム…
その名は─ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

この秋、「アベンジャーズ」のマーベル・スタジオから、アベンジャーズを遥かに凌ぐ“ありえない”チームが誕生する。5人のメンバー全員が、犯罪歴を持つ宇宙のお尋ね者。正義や平和のためどころか、刑務所でたまたま一緒になっただけの彼らが、なぜか銀河滅亡を阻止する最後の希望に…?史上最もヒーローらしくないヒーローたちの冒険と戦いを、圧倒的なスケールと独創的なストーリーで描いたアクション・アドベンチャー超大作─その名は、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」!常識を超えた魅力的なキャラクターたちと、ユーモア溢れる展開、そして、不意打ちのように“グッとくる”ヒロイズムと友情。一瞬先も読めない究極のエンターテイメントが、この秋を席巻する。

監督・脚本:ジェームズ・ガン
原案:ニコール・パールマンジェームズ・ガン
原作:ダン・アブネット、アンディ・ランニング
製作:ケヴィン・フェイグ

ピーター・クイル  :クリス・プラット
ガモーラ      :ゾーイ・サルダナ
ドラックス     :デビット・パウティスタ
グルート      :ヴィン・ディーゼル
ロケット      :ブラッドレイ・クーパー(声)
ロナン       :リー・ペイス
ヨンドゥ      :マイケル・ルーカー
ネビュラ      :カレン・ギラン
コラス       :ジャイモン・フンスー
ローマン・デイ   :ジョン・C・ライリー
ノバ・プライム・イラニ・ラエル:グレン・クローズ
タリニーア・ティバン:ベネチオ・デル・トロ