パディントン2




1作目も最高に可愛くて最高によくできた映画でしたが、2作目も期待を裏切らない完成度でした! 主役のもふもふがとてもかわいくて、ハラハラドキドキのアクションがあって、ファンタジックで、わかりやすくて、キャラクターがみんなチャーミングで、優しくてキュートな世界観。なんかもう完璧じゃないですか? 完璧じゃないですか?(二度言った)「あの一作目に劣らない」というだけでも最大級の賛辞、だと思います!
ロンドンのブラウン家に住み着いてすっかり街の人々とも仲良くなったパディントンの日常と、町並みの美しさが冒頭流れるように展開するオープニング、もうそれだけで胸が熱くなりますね。移民のメタファーだったパディントンがすっかりみんなに受け入れられてる様子にまずほっこり。そして骨董品屋さんで見つけた「飛び出す絵本」、このシーンがすごく! すごく素敵なんですよ! ロンドンの街をおばさんに見せてあげたいと願っているパディントン、その願いを叶えてくれる「ロンドンの観光名所が飛び出す仕掛け」になっている古い絵本が見つかる場面、もう本当に良かった。ページをひらくたびに絵本の中の観光名所でおばさんを案内するパディントンの姿の描写が、もう、最高に素敵でかわいくて、もうこの時点でだーーーーーーーと泣いていました(早い)。だって何あの立体絵本の美術! 夢がありすぎて! もう!

しかしこの絵本には秘密があって、あるお宝の隠し場所が本の中に示されているのでした。そのことを知った落ち目の俳優ブキャナン(ヒュー・グラント!)は骨董品屋から絵本を盗み出すのですが、たまたまそこに居合わせたパディントンは強盗犯として逮捕されてしまって……という展開。監獄に入ったパディントンは洗濯係になって囚人たちの服を可愛いピンクに染めてしまったり、強面の犯罪者たちからも恐れられる厨房のナックルズとマーマレードを作ったことをきっかけに監獄の食事を全て可愛いスイーツにしてしまったり。なんだこのカワイイであふれる獄中生活! 最高か! 一方ブラウン家のみんなもパディントンの冤罪を晴らすために真犯人を追っていて、そのことでパディントンの面会時間に間に合わずすれ違うお互いの気持ち。ああー! つらい! パディントンつらい!

ナックルズたちと脱獄してブラウン一家とブキャナンを追うパディントンの列車アクション、これまた1作目に続いてミッション・インポッシブル風ですね。ここからの追跡劇がまた、「ああーもう無理ー!」のドキドキハラハラアクションの連続だし、前半に散りばめられた伏線を怒涛の勢いで回収していくしで、もう、最の高ですよ! 悪役のブキャナンも悪いんだけどどこか憎めないキュートなキャラクター。無事に本を取り返したし無罪も晴らせたけれど、おばさんの誕生日に本を贈ることが間に合わなくて悲しむパディントンに街のみんなが素敵なプレゼントを……のラストももう、わかってるけど泣いちゃうやつですよね! ああー良かったー良かったよパディントンー。

そしてエンドロールがまた最の高なんですよね、投獄されたブキャナンの半年後の姿。パディントンが可愛いパティスリーに変えてしまった監獄を、今度はブキャナンがまるでウェストエンドの劇場のように変えてしまっていて。華やかなレビューショーのようなフィナーレがもう、まるでミュージカルのクライマックスでもはや泣き笑いでした。なんだこの可愛い世界! 最高か! 

ブキャナンのような悪役もいればカリーさんのようにパディントンを警戒する住人もいるにはいるんだけど、基本的には優しい人たちの優しい世界観で、なんというか心が沈んでて観るものを選ぶタイミングで観たいやつですね。殺伐としたものが観られない精神状態の時に傷薬のようにやさしく染み渡る映画です。分かりやすいストーリー展開は子どもでも充分楽しめるし、中だるみ無しのスピーディな展開は大人にも飽きずに見られる内容で。前作同様、美術がもういちいち可愛らしくて目に楽しくて。パディントンのもっふもふの動きも可愛いし目の表情もすごくかわいくて。そして今回もブラウン家のお父さんは最高に良いところで良いことを言ってくれます。安心して家族みんなで楽しめる、まさに娯楽映画のお手本のような素晴らしい映画でした。楽しかった!