宝塚歌劇花組「はいからさんが通る」

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出典:宝塚歌劇団公式ホームページ

 

柚香光さんトップお披露目公演!おめでとうございます!
いやもうこれ3年前に青年館での初演を見た時に私書いたじゃないですか(下記ブログ参照)、「柚香さんトップ就任の暁には、ぜひこれを大劇場サイズに改訂再演してお披露目演目にすべきだ」って。まさか現実になるとは思いませんでしたよね。まだういういしさのあった初ヒロインだった華優希ちゃんもしっかりとヒロインらしい貫禄がつき、そして前回にもまして美しさと人間くささとトップオーラを発する柚香さんよ……もう最高のお披露目公演だったんじゃないかと思います。

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脚本は作家・高屋敷要を狂言回しとして「高屋敷が友人の伊集院忍とその婚約者をモデルとして書いた物語」という外枠ができたのが変更点としてありましたが、ほぼほぼ初演を踏襲。初演に出てたキャストはほぼそのままその役を続投して、組替えや退団でいなくなったキャストの役のところに別キャストを割り当てるという「なるほど小柳先生考えたな……!」という座組。初演の編集長・鳳月杏さんや丑五郎・天真みちるさんなど、「この役はもうこのひとしか考えられないんじゃないの?」というハマり役だったところも、続投キャストの瀬戸かずやさんや飛龍つかささんもこれはこれで良いな……と思えてしまうのがさすが宝塚というか。この作品は今後もまた時を経て再演される人気演目に将来なっていくだろうな、とちょっと思いました。

花組は明日海りおさんという偉大なトップが退団して動員を心配される部分も多少はあったかと思いますし、コロナ禍ということもあって東京公演も最初は少し空席があったようですが。「チケット取れるんなら見てみようか」と軽い気持ちで見に来たご新規さんがあれよあれよというまにハマって「えっフィナーレ2バージョンあるの……?買います……」とリピートしていく様子がTwitterでもちらほら見られて大変微笑ましかったです。なんやかやですぐにチケット完売していまいましたものね。柚香さんの少尉はもう本当にこれ以上はないんじゃないかというほどのハマり役で、「そらこんなので初めて宝塚みたら落ちるわ!」という感じでした。シベリアの雪の中で「たとえ遠く離れても……」と歌いながら銀橋を渡るあの乱れた前髪とその間からのぞく真剣な眼差しと額に光る汗、あれに撃たれたらもう宝塚を見る前には戻れないと思うんですよね。本当に新生花組は最高のスタートが切れたのではないかと思います。れいちゃん、素晴らしいトップスターぶりでした。

はーこれかられいはなコンビの花組も楽しみだわーなどとウキウキしてたら急転直下、次作での華ちゃんの退団が発表されてちょっとショックが大きいというか……。いやこれからでしょう、なぜこんなに早く……と思いますが。まあ華ちゃん的にはトップ3作目だからまあ無い話じゃなけいども……でも近年の娘役トップさんそれでも4作が標準じゃないですかね、やっぱりちょっと短い気がしますね。まあ相手役が変われば関係性も変わって男役トップの新しい魅力が出てくるのでそれはそれで楽しみではあるのですが、うう、でも、やっぱり残念です。